稚内駅

稚内駅：北海道最北端の鉄道の要衝

稚内駅は、北海道稚内市の北部に位置する、JR北海道宗谷本線の終着駅です。日本最北端の駅として知られ、長い歴史と変化に富んだ軌跡を持っています。

歴史：稚泊航路と発展

稚内における鉄道の歴史は1922年に始まりましたが、最初の駅は現在の場所から約2km南にありました。当時は南樺太の大泊とを結ぶ連絡船「稚泊航路」があり、駅と港との間は徒歩や荷車での移動でした。この不便さを解消するため、1928年、稚内港駅（現在の稚内駅）が開業しました。

その後、稚内港の整備に伴い、1938年には防波堤桟橋内に稚内桟橋駅が開設されました。1939年には、駅名が変更され、現在の稚内駅と南稚内駅が誕生しました。稚泊航路は終戦まで樺太からの引揚者輸送に重要な役割を果たしましたが、ソ連軍の侵攻により1945年に運航を停止し、稚内桟橋駅も事実上廃止となりました。

その後、稚内駅は幾度かの改築を経て、2011年には「稚内駅前地区第1種市街地再開発事業」の一環として、新しい駅舎が開業しました。この新しい駅舎は、複合施設「キタカラ」内に含まれ、バスターミナルや商業施設などが一体となった、地域の中心的な存在となっています。2010年には2番線が廃止され、単式ホーム1面1線の駅となりましたが、かつての日本最北端の線路は、駅前広場にモニュメントとして復元されています。

駅構造と周辺環境

現在の稚内駅は、単式ホーム1面1線を持つ地上駅です。バリアフリーに対応したスロープが設置され、みどりの窓口や自動券売機なども設置されています。駅舎は「キタカラ」内にあり、バスターミナルや商業施設、観光案内所などが一体となっており、利便性が高いです。

駅周辺には稚内フェリーターミナル、稚内港国際旅客フェリーターミナル、稚内空港などがあり、交通の拠点となっています。また、稚内公園やノシャップ岬などの観光地へのアクセスも良好です。

利用状況と駅弁

稚内駅の利用状況は、近年変動しており、詳細なデータは公開情報によって異なります。かつては駅弁も販売されていましたが、現在は状況が変化している可能性があります。

その他

深名線の廃止後、最長片道切符の起点駅となっていましたが、根室本線の一部区間廃止により、その地位は変化しました。しかし、運賃計算上の距離では最長片道切符の起点駅としての位置付けが継続する可能性があります。

稚内駅：未来への展望

最北端の駅として、稚内駅はこれからも地域社会や観光の中心的な役割を担っていくでしょう。歴史と変化を積み重ねながら、未来に向けて進化を続ける稚内駅の動向に注目が集まります。

参考文献

稚内市史編纂室 編『稚内市史』、JR北海道公式ホームページ、その他関連書籍・資料など

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