稲子駅

稲子駅について

稲子駅（いなこえき）は、静岡県富士宮市下稲子に位置し、東海旅客鉄道（JR東海）身延線の駅の一つです。駅は1929年に富士身延鉄道の駅として開設され、以来、旅客および貨物の取り扱いが行われていました。1987年には国鉄の分割民営化に伴い、JR東海の駅として継承されています。

駅の歴史

稲子駅の歴史は長く、1929年（昭和4年）8月15日に開駅しました。その後、1938年に建設が進められ、国鉄に借り上げられました。1941年には国有化され、鉄道省身延線の駅となります。徐々に旅客や貨物の取り扱いは縮小され、1961年には貨物の取り扱いが廃止されました。1973年には無人駅となり、現在に至ります。1972年には荷物扱いも廃止され、近年ではコンクリート製の駅舎が新設され、無人で運営されています。

駅の構造

稲子駅は単式ホームを1面1線有する地上駅で、線路は北西から南東にかけて走っています。駅舎はホームに接して建てられており、現在は待合所が設置されていますが、駅員は常駐しておらず、自動券売機も存在しません。そのため、切符の購入はできず、富士宮駅が管理しています。駅周辺には単独の側線があり、かつての貨物輸送の名残を留めています。

利用状況

最新の統計によると、2021年度の1日平均乗車人員はわずか9人でした。1993年度以降のデータでは、乗車人員は減少傾向にあり、2001年度から2009年度のデータは非公表となっています。閑静な立地と無人駅であるため、利用者は少なく、地元住民の足としての役割を果たしているようです。

駅周辺の環境

稲子駅は、静かな郊外の集落に位置し、周辺には商店や食堂が数軒存在します。近くには大きく蛇行する富士川や、稲子川が流れ、多くの自然景観が楽しめます。また、十島駅との間には2つのトンネルがあり、風光明媚な環境を提供しています。近隣の温泉施設や観光地も豊富で、新稲子川温泉や稲子聖観音、天子七滝といったスポットがあり、観光客にも訪れる価値があります。

バス路線

駅の近くには、宮バスによる「稲子駅」停留所があり、路線が発着しています。代表的な路線として、宮12香葉台線があり、平日土曜には数本のみの運行が行われていますが、日祝日や年末年始は運休となるため、利用には注意が必要です。

まとめ

稲子駅は、歴史ある静かな駅であり、周囲には自然や観光スポットが豊富に点在しています。地元の人々に愛される存在であり、観光客にもその静けさと美しい環境を楽しむための訪問先としておすすめです。

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