竹瓦温泉

竹瓦温泉：別府温泉のシンボル

竹瓦温泉は、大分県別府市の中心部に位置する、ひときわ目を引く温泉施設です。その歴史は古く、明治12年（1879年）に遡ります。もともとは、地元の漁師たちが海岸近くに湧き出る温泉を利用するために建てた、竹屋根の小屋が始まりでした。その名残から「竹瓦」という名前が付けられました。

建築

現在の建物は、昭和13年（1938年）に建てられたもので、唐破風の屋根が特徴的な、壮麗な木造2階建て建築です。入母屋造や寄棟造の屋根、裳階などが組み合わさり、複雑で美しい外観を作り出しています。その文化的価値が認められ、2004年には登録有形文化財に、2009年には近代化産業遺産に認定されました。

内部に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、天井の高いホールです。西側には寄棟造平屋の砂湯、東側には男女別の浴室が配置されています。2階には、かつて湯治客の休憩室として使われていた90畳の大広間があり、現在は公民館として利用されています。

温泉

竹瓦温泉の浴室には、湯を出す蛇口がありません。浴槽から直接お湯を汲み出して体を洗うという、昔ながらのスタイルが守られています。水を出す蛇口はありますが、これは熱いお湯を冷ますためのものです。更衣室と浴室は一体化しており、ロッカーで服を脱いだら、階段を下りて直接浴槽へ入るという構造になっています。

泉質は、男女湯と砂湯で異なります。

男湯: 塩化物泉（ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉）。きりきず、やけど、慢性皮膚病などに効果が期待できます。
女湯: 炭酸水素塩泉（ナトリウム-炭酸水素塩泉）。こちらも、きりきず、やけど、慢性皮膚病などに効果が期待できます。
砂湯: 炭酸水素塩泉（ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉・塩化物泉）。同様の効能に加え、神経痛や筋肉痛、冷え性などにも効果が期待できます。

竹瓦温泉の湯は、すべて源泉かけ流しです。贅沢な湯を心ゆくまで堪能できます。

周辺情報

竹瓦温泉の目の前には、竹瓦温泉通りが東西に走っています。この通りと並行する流川通りには、日本最古のアーケードである竹瓦小路アーケードがあります。全長約60mのアーケードには、様々なお店が軒を連ねています。

アクセス

鉄道: JR日豊本線別府駅から徒歩約10分。
バス: 亀の井バス・大分交通「流川ゆめタウン前」停留所下車、徒歩約2分。
自動車: 大分自動車道別府ICから車で約15分。

別府温泉を訪れた際には、ぜひ竹瓦温泉に立ち寄ってみてください。歴史と文化が息づく空間で、心身ともに癒されるひとときを過ごせるでしょう。

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