笠間日動美術館

笠間日動美術館

笠間日動美術館は、茨城県笠間市にある美術館・博物館です。1972年、東京・銀座の日動画廊創業者である長谷川仁・林子夫妻が、創業45周年と金婚式を記念して、長谷川家ゆかりの地である笠間に設立しました。日本を代表する画商の系列美術館として知られ、その収蔵品は3,000点を超えます。

コレクション

主な絵画コレクションは、西洋の近代美術、日本の近・現代美術の巨匠たちの作品群です。また、2000年にはヤンマー創業者の山岡孫吉による山岡コレクションも収蔵されました。

パレット画コレクション

中でも特筆すべきは、国内外の著名画家が愛用したパレット画のコレクションです。これは、創業者である長谷川仁が親交を深めた画家たちから譲り受けたもので、その数は340点以上に及びます。これほど規模の大きいパレット画コレクションは世界的にも珍しく、美術史的にも非常に貴重なものとして評価されています。

施設

美術館内には、以下の施設があります。

パレット館: 1階の展示室では、パレット画コレクションを中心に展示。かつては、高橋由一、岸田劉生、佐伯祐三など、日本の洋画界を切り拓いた巨匠たちの作品と共に展示されていました。
フランス館: 長谷川仁・林子記念室には、画家たちが描いた夫妻の肖像画や、夫妻ゆかりの品々、業績を伝える資料などを展示。また、スーラやルドンの小品を展示するデッサン室やミュージアムショップもあります。フランス印象派からエコール・ド・パリに至るフランスゆかりの著名画家の作品を幅広く常設展示しています。モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、ボナール、マチス、ピカソ、シャガールなどの作品が鑑賞できます。
企画展示館: 年に4 - 5回の企画展を開催。2015年には、鴨居玲の没後30年を記念した「鴨居玲の部屋」が開設されました。
野外彫刻庭園: フランス館と企画展示館の間にある庭園には、日本の具象彫刻界を代表する作家の作品19体が展示されています。竹林などの日本庭園も併設されています。

主な所蔵品

エドガー・ドガ 『舞台の袖の踊り子』
クロード・モネ 『ヴェトゥイユ、水びたしの草原』
フィンセント・ファン・ゴッホ 『サン＝レミの道』
オーギュスト・ルノワール 『泉のそばの少女』
レオナール・フジタ 『家族』
アンディ・ウォーホル 『C婦人像』
高橋由一 『鯛図』
五姓田義松 『人形の着物』
藤島武二 『日の出』
岸田劉生 『村娘之図』
東郷青児 『婦人像』
藤井勉　『ななつ』

アクセス

JR水戸線笠間駅 徒歩25分、市内循環バス「日動美術館入口」下車　徒歩3分
JR常磐線・水戸線友部駅から無料送迎バスあり
北関東自動車道友部ICから車で約15分

春風萬里荘（分館）

春風萬里荘は、笠間駅の南側に広がる芸術の村に位置する日動美術館の分館です。陶芸家、芸術家の北大路魯山人が住居としていた茅葺屋根の民家を移築し、1965年に開館しました。建物内部は魯山人が住んでいた当時の姿のまま保存されており、魯山人の遺作や日動美術館所蔵の名品が展示されています。

周辺施設

笠間稲荷神社
笠間芸術の森公園
茨城県陶芸美術館（笠間芸術の森公園内）
笠間工芸の丘（笠間芸術の森公園内）
スポーツカーミュージアム（日動画廊が運営）

笠間日動美術館は、豊かな自然に囲まれた環境の中で、貴重な美術作品を鑑賞できる場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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