第一交通産業

第一交通産業株式会社について

第一交通産業株式会社（DAIICHI KOUTSU SANGYO Co., Ltd.）は、福岡県北九州市小倉北区に本社を置く企業で、タクシーやハイヤー事業のほか、バス、不動産、貸金業など多様なビジネスを展開しています。福岡証券取引所に上場しており、証券コードは9035です。

企業の成り立ち

この企業は1960年に第一タクシー有限会社として創業し、1964年に不動産関係の管理会社を設立しました。そして、1993年にはさまざまなタクシー事業者を統合し、現在の会社名に改称されました。創業者の黒土始は後に名誉会長となりました。現在の社長は田中亮一郎で彼の経歴にはテレビ朝日の編成局における業務が含まれています。彼は創業者の娘婿でもあります。

主力事業

第一交通産業の主力事業であるタクシー事業は、1980年代からM&Aを積極的に行い、全国各地のタクシー会社を買収して成長を遂げてきました。特に東急系や南海系の企業を中心に多くの事業を掌握し、現在では北海道から沖縄まで広がっています。2021年6月時点で、グループ全体のタクシー保有台数は業界の首位を誇り、8,759台に達しました。過去には一時10,000台を超えていましたが、タクシー適正化法の施行に伴い、その台数は減少しました。

バス事業も展開しており、2001年に子会社である第一観光バスを設立しました。2004年には沖縄県の那覇交通の事業を譲り受け、さらには琉球バスの事業も吸収し、沖縄への事業展開を本格化させました。乗合タクシーでは、「親富孝エクスプレス」と呼ばれる深夜定期路線を運行していましたが、現在は運行を休止しています。一方で、北九州市の過疎地型交通として「おでかけ交通」や、北九州空港との連絡路線なども手がけています。

不動産とファイナンス

不動産事業では、年間約600戸の分譲住宅を提供しており、「グランドパレス」や「アーバンパレス」といったブランド名で展開しています。近年は関東地域への進出を強化し、九州からの撤退も進めています。また、賃貸ビルの運営やファイナンス事業も行っています。

タクシー配車アプリ

近年、スマートフォンの普及に伴い、第一交通産業は「モタク」というタクシー配車アプリの開発を行いました。このアプリは、従来の電話予約に代わるもので、スマートフォンからタクシーを簡単に呼べる機能を提供しています。これにより、利便性が向上し、多くの顧客に利用されています。

沿革と重要な出来事

この企業の歴史は、1960年の創業に始まり、数々の買収や事業拡大を経て今に至ります。1995年には宮城県のワカバタクシーを買収し、東北に進出したほか、2000年4月には福岡証券取引所に上場を果たしました。また、最近の主な出来事では、2018年に創業者の記念館を開設し、2023年には創業者自体が101歳で亡くなるという大きな変化もありました。

第一交通産業は、これからも多岐にわたる事業を展開し、顧客のニーズに応える企業として成長を続けることでしょう。

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