箱根神社

箱根神社の概要

箱根神社（はこねじんじゃ）は、神奈川県足柄下郡箱根町の元箱根に位置する歴史ある神社です。かつてこの神社は箱根権現や三所大権現とも称され、旧社格は国幣小社に指定されていました。神社の主祭神は箱根大神で、瓊瓊杵尊、木花咲耶姫命、彦火火出見尊の三柱が祀られています。また、奥宮である箱根元宮には造化三神として知られる天之御中主神や高皇産巣日之神、神皇産巣日之神もまつられています。

歴史

箱根神社は鎌倉時代にはすでに高名な神社とされ、幕府からの厚い崇敬を受ける存在でした。特に『貞永式目』において、日本の神祇の中でも最も重要視された神社の一つとされました。この時期、伊豆山神社とともに「二所権現」と呼ばれ、武士たちの信仰を集める重要な存在となっていました。

また、箱根山に対する山岳信仰も古くから根付いており、神山を遥拝できる駒ケ岳の山頂が重要な祭祀の場とされていました。孝昭天皇の時代には、神仙宮を開く聖占が行われ、初めて神山を神体として祭ったことから、山岳信仰の発展に寄与しています。現在でも毎年10月24日には御神火祭が行われ、古来の祭祀の名残を強く感じさせます。

箱根神社の伝承によれば、箱根権現は東福寺を経由して再興され、その後、万巻上人が九頭龍を調伏し、九頭龍神社本宮を建立しました。また、源頼朝が石橋山の戦いで敗れた際に行実が彼を助けたことで、武家の崇敬を集めるようになったという歴史もあります。

箱根神社は長らく別当寺である金剛王院東福寺の管理下にありましたが、明治時代に神仏分離の流れにより、箱根神社として独立しました。昭和に入ると、国幣小社にも昇格し、さらに観光地としても発展を見せています。特に1963年には駒ヶ岳ロープウェーが開業し、多くの登拝者が訪れるようになりました。

文化財と祭事

箱根神社は、重要文化財としていくつかの神像や絵巻を有しており、これらの保存と公開が行われています。特に『箱根権現縁起絵巻』や複数の木造神像は、歴史的価値が高く、訪れる人々を魅了しています。

年間を通じて行われる祭事には、2月の節分祭、7月31日の湖水祭、8月1日の例祭、そして10月24日の元宮祭があります。特に元宮祭では、全山御神火巡行が行われ、多くの参拝者で賑わう重要な行事です。

アクセス

箱根神社へのアクセスも便利です。伊豆箱根バスや箱根登山バスを利用して簡単に訪れることができます。元箱根から徒歩約10分、また小田急ハイウェイバスでは「山のホテル」バス停から徒歩3分と、多くの交通手段が整備されています。また、九頭龍神社本宮へは、箱根園からのアクセスも良好です。

箱根神社は、その美しい自然環境と歴史的背景を持つ神社で、訪れる人々に深い印象を与えています。信仰の対象としてだけでなく、観光地としても多くの人々に愛され続けている場所です。

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