紀南

紀南地域の概要

紀南（きなん）は、日本の紀伊国にあたる地域の南部であり、現在の和歌山県全域と三重県南部の東紀州と重なります。この地域は、紀南地方や紀南地域、紀南エリアとも呼称されており、牟婁や熊野とほぼ同義です。紀南という名称は歴史的には新しいもので、1916年に初めて文献に登場しました。

紀南地方の特性

紀南は、紀北地方及び紀中地方と対になる位置にあります。そのため、熊野川が両地域の県境とされているのが特徴的です。紀南は、和歌山県と三重県のそれぞれであまり意識されないことが多く、県外の文脈ではあまり使用されませんが、通例として両県相互に関連しています。

紀南地区には紀南とも呼ばれる南紀の名称も存在しますが、こちらの定義は紀伊国の別名として使われることが多いため、厳密には使い分けが必要です。

和歌山県における紀南

和歌山県の紀南地域は、狭義には旧西牟婁郡と東牟婁郡を指し、この場合、和歌山県は紀北・紀中の3つのエリアに分かれます。2005年より田辺市の龍神村が統合されたことにより、このエリアも紀南の構成に含まれます。また、広義には旧日高郡も加わり、さらに広く有田郡や海南市、海草郡紀美野町を含むこともあります。

一方で、逆に狭義での定義に従えば、旧東牟婁郡に限ることも可能で、その場合は県全体を3分割、またはより細かく分けることも行われます。

三重県における紀南

三重県の紀南は東紀州にあたり、紀伊国の東部に位置します。こちらは南北に分かれており、旧南牟婁郡の地域（現在の熊野市・御浜町・紀宝町）が紀南に該当します。1953年に南牟婁郡南輪内村が尾鷲市に編入されたことにより、地域が縮小されています。ただし、御浜町には有名な三重県立紀南高等学校があります。

この地域は熊野生活創造圏とも位置されており、三重県の地域分けは東紀州を含む5地域が一般的ですが、紀北・紀南等のより詳細な分割で7〜10地域とされることもあります。

最後に

紀南は文化的、歴史的に重要な地域であり、自然の美しさや独自の歴史が詰まっています。紀南の魅力を知ることで、日本の地方の豊かさや多様性をより深く理解できることでしょう。この地域を訪れる際は、地理的な特徴や文化を意識して楽しむことが一層の体験を生むでしょう。

もう一度検索