紀州鉄道

紀州鉄道株式会社について

紀州鉄道株式会社（きしゅうてつどう）は、日本における不動産開発業者及び鉄道事業者です。東京都中央区に本社を構えるこの企業は、鶴屋産業の子会社として、和歌山県御坊市で紀州鉄道線を運営しています。

歴史

紀州鉄道の起源は1928年に設立された御坊臨港鉄道にさかのぼります。当初の目的は国鉄紀勢西線と御坊市街地を結ぶことであり、1931年に鉄道が開業されました。だが、経営状況は厳しく、戦後は自然災害やモータリゼーションの影響を受け、1960年代には廃止の危機に直面しました。

1972年には、旧磐梯急行電鉄の経営陣によって御坊臨港鉄道が約1億円で買収され、現在の紀州鉄道へと改名されました。1975年には紀州鉄道不動産株式会社が設立され、1978年に本社が大阪府大阪市に移転されました。1979年には不動産・リゾート開発を展開する鶴屋産業の傘下に入り、会社の体制が大きく変わりました。

現在も、紀州鉄道は不動産業を主な業務としていますが、鉄道事業は収益が非常に少なく赤字が続いているのが実情です。それでも、鉄道会社であることが信頼を得る要因となっており、企業名に対する愛情から営業を続けています。2021年頃には、紀州鉄道の株式の大半が中国系企業、株式会社ポリキングに取得され、経営体制に変化が見られました。

ホテル・リゾート事業

紀州鉄道は、全国各地にホテルを展開し、関連会社の紀鉄ホテルがその運営を行っています。那須高原や熱海、伊豆などの観光スポットに立地しており、特にリゾート開発に注力しています。

また、群馬県の嬬恋村では共同出資により「パルコール嬬恋」という第三セクター会社を設立。ゴルフコースやスキー場を運営していましたが、2014年に民事再生法の適用を受け、紀州鉄道グループから離脱しました。

さらに、軽井沢や岡谷の高原地域において別荘の分譲や会員制リゾート事業を手がけ、旅行業も展開しています。

鉄道事業

紀州鉄道が運営する紀州鉄道線は、御坊駅から西御坊駅までの長さ2.7kmの路線です。1989年には一部区間が廃止され、全列車のワンマン運行が開始されました。営業係数は367.8と、日本国内では最も悪い値ですが、現在のところ鉄道事業の廃止の計画はありません。

かつては日本一短い鉄道と称されていましたが、2002年には千葉の芝山鉄道にその地位を譲りました。しかし、従来の定義により、依然として紀州鉄道線が短いとされる場合もあります。また、沿線の利用促進のため「学門駅入場券」のような記念切符や記念グッズの販売も行っています。

路線

• - 紀州鉄道線: 御坊駅 - 西御坊駅（2.7km）

車両

2021年時点で、気動車3両が在籍しており、すべて他社から譲渡されたものです。ちなみに、名物の回転式乗車券箱は、博物館に収蔵されています。

関連会社

紀州鉄道には以下の関連会社があります。

• - 鶴屋商事
• - 紀州鉄道不動産
• - 紀鉄航空サービス
• - 紀鉄ホテル

このように紀州鉄道株式会社は、鉄道運営やホテル・リゾート事業を通じて地域に貢献し続けています。

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