網走市立美術館

網走市立美術館：オホーツクの芸術と文化の殿堂

網走市立美術館は、北海道網走市に所在する、北海道で最初の市町村立美術館として知られています。1972年、網走市在住の美術収集家である宮川辰雄氏より、独立美術協会で活躍した洋画家・居串佳一の遺作38点が寄贈されたことがきっかけとなり、開館しました。

この美術館は、網走地域にゆかりのある作家たちの作品を数多く収蔵しており、そのコレクションは、地域文化の貴重な記録として高く評価されています。特に、居串佳一や高橋道雄といった、網走を代表する画家の作品は、美術館の重要な柱となっています。さらに、網走やオホーツク地方をテーマにした作品も積極的に収集、展示することで、地域の自然や歴史、文化を多角的に表現した空間を創出しています。

美術館の建物は、近代的な設計と、地域に溶け込む温かみのある雰囲気を併せ持っています。館内には、複数の展示室があり、常設展と企画展が交互に開催されています。常設展では、網走ゆかりの作家の作品をじっくりと鑑賞できます。企画展では、現代美術の動向や、特定のテーマに焦点を当てた展覧会などが行われ、来館者に多様な美術体験を提供しています。

1階には、来館者らが自由に作品に関する情報を閲覧できる資料閲覧室や、美術に関するワークショップや実技研修が行われる実技研修室、そしてホールがあります。2階には、広々とした4つの展示室が設けられており、企画展や常設展の作品が展示されています。

館外の空間も魅力の一つです。美術館の玄関前、隣接する網走市民会館の前庭には、佐藤忠良や本郷新など、著名な彫刻家の作品が屋外展示されています。これらの彫刻は、美術館を訪れる人々を迎え入れ、街の景観を豊かに彩っています。

アクセス面も良好で、網走バスターミナルから徒歩5分、JR釧網本線桂台駅や石北本線網走駅から徒歩10分と、公共交通機関を利用して容易にアクセスできます。周辺には、網走市民会館をはじめ、歴史的建造物である永専寺山門（旧網走監獄正門）や、クリオネ通りなど、見どころが豊富です。

開館時間は午前10時～午後4時です。休館日は月曜日、国民の祝日、年末年始（12月31日～1月5日）となっています。

網走市立美術館は、単なる美術作品を展示する場所にとどまらず、地域住民の文化活動の拠点として、そしてオホーツク地方の豊かな文化を国内外に発信する窓口としての役割を担っています。オホーツク地方を訪れる際には、ぜひ足を運び、網走の芸術と文化に触れてみてください。

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