苅藻駅

苅藻駅：下町の活気と現代性が調和する駅

はじめに

神戸市営地下鉄海岸線にある苅藻駅は、兵庫県神戸市長田区浜添通五丁目に位置する地下駅です。駅番号はK08。住宅街と工場が混在する下町の景観の中にありながら、現代的なデザインと地域住民の活動が融合した独特の雰囲気を持つ駅として知られています。この記事では、苅藻駅の概要から歴史、構造、利用状況、周辺環境まで詳細に解説します。

駅の歴史

苅藻駅は、神戸市営地下鉄海岸線の開通と同時に、2001年7月7日に開業しました。開業以来、地域住民の活動と密接に関わっており、駅名板下広告には一時期「三ツ星ベルト前」が掲出されていました（2011年～2018年）。これは、周辺に本社を置く三ツ星ベルトの存在を示すもので、地域企業との連携を象徴する出来事と言えるでしょう。

駅の構造とデザイン

苅藻駅は島式ホーム1面2線を有する地下駅で、改札口が地下1階、ホームが地下2階にあります。駅全体のデザインコンセプトは「新下町、公園通り」。これは、周辺地域で行われている活発なまちづくり活動、特に「公園通り」の整備を反映したものです。

コンコースは、白い陶板とモザイクタイルを組み合わせることで、下町の壁を現代的に表現。広々とした改札口前には、休憩や待ち合わせに利用できる「ふれあいコーナー」が設けられ、地域住民との交流拠点としての役割も担っています。このコーナー周辺には、アートギャラリーメッセージボードも設置されており、地域活動の発表などに活用されています。

ホームは、対向壁を板塀に見立て、床にはテラゾータイルや石、タイルを用いることで、街路の雰囲気を再現。さらに、周辺道路の狭さを考慮し、出入口は道路から後退させて駐輪場を確保するなど、利用者の利便性向上にも配慮が行き届いています。また、海岸線の乗務員が所属する苅藻乗務区を併設しているため、一部列車は当駅で乗務員交代が行われます。

駅の利用状況

2022年度の1日平均乗車人員は1,667人です。海岸線の中では比較的利用客が少ない駅ですが、周辺の開発状況や地域住民の活動と密接に関わっていると言えるでしょう。計画段階での予測乗車人員（2005年時点：4,872人）には届いていませんが、開業以降はほぼ横ばい傾向にあります。

駅周辺

苅藻駅周辺は、住宅地と工場が混在する下町であり、近年は地域住民によるまちづくり活動が盛んに行われています。主な施設としては、イオン長田南ショッピングセンター（マックスバリュ長田南店など）、三ツ星ベルト本社、神戸市中央卸売市場西部市場などがあります。かつては「かるもプール」という市民プールもありましたが、2007年に営業休止、2009年に閉鎖されています。

隣の駅

まとめ

苅藻駅は、下町の活気と現代的なデザインが融合した、ユニークな駅です。地域住民の活動と密接に関わり、利用者の利便性を考慮した設計も特徴的です。今後も、地域社会に貢献する駅として発展していくことが期待されます。

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