若本規夫

若本 規夫について

若本 規夫（わかもと のりお、1945年10月18日生まれ）は、日本の声優、俳優、ナレーター、そして元警察官です。彼はシグマ・セブンに所属しており、山口県下関市で生まれ、大阪府堺市で育ちました。彼の旧芸名は若本 紀昭（わかもと のりあき）であり、数々の名作に声を吹き込み、幅広いファン層を持っています。

来歴

生い立ち

若本の誕生は、彼が極めて未熟児であったことから始まります。生まれたときの健康状態は危うく、周囲からは葬式の準備をするよう助言されたそうです。2歳のとき、父が公職追放に遭い一家は大阪府堺市に転居しました。小学校時代は厳しい教師のもとで苦痛を伴う日々を送りましたが、その後の転校で良い教師に出会い、充実した学校生活を過ごします。

彼は関西大学第一高等学校に進学しますが、授業についていけず、高校3年で文系に転向し、好成績を叩き出します。早稲田大学法学部に進みましたが、授業への興味を欠く中、少林寺拳法に夢中になります。在学中には牛乳配達のバイトで自立しつつも、就職活動を始めるきっかけを探ります。

仕事の選択

最初は貿易会社や警察官を目指しましたが、結局警視庁に入り、交番勤務を経験しました。新宿騒乱事件にも関与しながらも、法を執行する自分が不向きだと感じ、1年で辞職。その後、日本消費者連盟に勤務しましたが、組織の現実に幻滅し、2年で退職しました。

声優デビュー

声優としての道を志したのは、消費者連盟での想定外の出来事がきっかけです。酒に酔って帰宅する途中に見た声優養成所の広告が彼の運命を変えました。以降、オーディションを経て、若本は黒沢良アテレコ教室に通い始めます。彼は早々に仕事の依頼が舞い込み、声優としての夢を現実にします。

若本は特にアニメや外画の吹き替えで活躍し、「若本節」と称される独特の言い回しや声質を築き上げます。代表作には『サザエさん』のアナゴや『ドラゴンボールZ』のセル、さらには『銀河英雄伝説』のオスカー・フォン・ロイエンタールなどがあります。2010年代以降は特に広い人気を得してアニメファンの心を掴み続けており、ナレーションやバラエティ番組への出演も増えました。

経歴の変遷と制作物

彼はアニメ以外にも声優業界の枠を超え、外画の吹き替えやナレーション等を積極的に行ってきました。60代を迎えた今も、彼は武道や古神道を通じて身体的能力を維持しつつ、新しい声の技術を磨いています。

若本規夫の演技は、悪役や権力者を中心に幅広いキャラクターをこなしており、特に悪役としての渋さと鋭さが際立っています。その豊かな演技力によって、ファンの支持を集め続けている彼は、声優業の真髄を体現する存在です。彼の声は、アニメや映画、テレビ番組のナレーションを通じて、長く不動の人気を誇っています。若本規夫はこれからも声優界の重要な役割を果たし続けることでしょう。

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