荘厳

荘厳（しょうごん、そうごん、そうげん、しょうげん）とは、仏教用語で、仏像や仏堂を美しく、おごそかに飾ることを意味します。また、その装飾そのものを指すこともあります。宗派によって荘厳の方法や様式は異なります。

語源

荘厳の語源は、サンスクリット語の「vyūha（ヴィユーハ）」に由来します。これは「分配」「配列」を意味し、「みごとに配置されていること」「美しく飾ること」を表します。漢字の「荘」と「厳」も、それぞれ「おごそかにきちんと整える」という意味を持ち、この言葉が持つ厳かで美しいイメージを強調しています。一般的には「そうごん」と読まれることが多いですが、仏教においては呉音で「しょうごん」と読むのが一般的です。

仏教における荘厳

仏教において、荘厳は単なる装飾以上の意味を持ちます。仏の智慧や福徳、そしてその相好をもって身を飾る（包む）こともまた、荘厳と表現されます。寺院の荘厳な装飾は、人々の信仰心を呼び起こし、仏教の教えへと導く力があると信じられています。

「信は荘厳なり」

「信は荘厳なり」という言葉は、寺堂の立派な装飾を見て信心が啓発されるという意味を持つたとえです。これは、内容（ここでは信仰心）が形式（荘厳）によって導かれることを示唆しています。「信は荘厳から起こる」「信は荘厳より」とも表現されます。

香光荘厳

念仏三昧をたたえる言葉として「香光荘厳」があります。香に染まると香気が漂うように、仏を念じることで仏の智慧や功徳に包まれることを意味します。仏の光明と香りが、修行者を荘厳するという深い教えが込められています。

荘厳造り

名古屋仏壇においては、宮殿の一形態を「荘厳造り」と呼びます。また、名古屋地域では、宮殿を作る職人を「荘厳師」と呼んでいます。

関連項目

仏具
截金

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