虎に翼

『虎に翼』（とらにつばさ）

『虎に翼』は、2024年4月1日から放送されているNHKの連続テレビ小説で、第110作目です。この作品は、脚本を吉田恵里香が担当し、伊藤沙莉が主演を務めています。タイトルの「虎に翼」は、中国の法家・韓非子の言葉に由来し、著名なことわざ「鬼に金棒」と同様、強者がさらなる力を得るという意味が込められています。

制作の背景

『虎に翼』の制作発表は2023年2月22日になされ、オリジナルストーリーでありながら、女性として初めて弁護士、判事、裁判所長を務めた三淵嘉子をモデルにしています。ヒロイン選定はオーディションを経ずに、2022年末に伊藤沙莉にオファーが直接渡されました。伊藤は2017年の『ひよっこ』以来、2回目の朝ドラ出演となります。このドラマの各回に登場するキャストは、放送前の2023年7月31日から続々と発表されていきました。

あらすじは、昭和6年（1931年）の東京を舞台にしています。主人公・猪爪寅子が母の勧めでお見合いを繰り返す中、法学の道へ進む決心をするところから物語が始まります。重要な人物との出会いを経て、日々の葛藤と成長を描いたストーリーが展開されます。

あらすじの詳細

物語は昭和6年（1931年）の東京に設定されており、女学生の猪爪寅子が母親のはるの勧めでやむを得ずお見合いを続けていました。寅子は、下宿人佐田優三の夜学へ弁当を届けた際に出会った桂場等一郎と穂高重親から、明律大学女子法科に進むことを勧められます。しかし、母は強く反対し、彼女の進学を許可するまでには激しい争いが待ち受けます。そこで、ようやく進学を許可された寅子は、女子法科に入学し、さまざまな女性たちと共に学ぶことになります。

昭和7年（1932年）には、女子法科に進学した寅子は、さまざまな困難に直面します。特に愛情や友情、矛盾した社会の目に苦しむ彼女らですが、寅子は弁護士としての道を志し、様々な法的問題を乗り越えていきます。回を重ねるごとに、寅子の成長や周囲の人々との関係、戦争をはじめとする社会の変化が描かれ、時代の中での彼女の立ち位置が際立ってきます。

作品では寅子を通じて、法と人の関係、また社会における女性の位置づけが問い直される場面が多く、法律に対する理解を深める要素が織り込まれています。また、登場人物たちがそれぞれ抱える悩みや矛盾も描写され、視聴者に深い感動を与えます。

音楽とナレーション

音楽は森優太が担当しており、番組の雰囲気を引き立てます。主題歌は米津玄師による「さよーならまたいつか!」が採用されており、これは作中のテーマと見事に調和しています。さらに、2011年に『カーネーション』のヒロインを務めた尾野真千子がナレーションを担当し、視聴者に親しみやすい形で物語に深みを加えています。

放送と視聴者の反響

初回の視聴率は16.4％を記録し、その後も高い数字を維持しています。視聴者からの反響はSNS上でも盛り上がりを見せ、多くのファンが番組を支持する理由がここにあります。家族の絆や女性としての強さ、法律に関する深い理解が、高く評価された本作品の評価を後押ししています。

『虎に翼』は、女性弁護士としての道を進む主人公の人生を辿る壮大な物語であり、歴史的背景をふまえつつ現代に通じるテーマを持つ作品に仕上がっています。

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