装輪装甲車

装輪装甲車とは

装輪装甲車（そうりんそうこうしゃ、英：wheeled armored vehicle）は、タイヤを用いて走行する装甲車の一種で、主に軍事用途に使われます。本記事では、装輪装甲車の機能、特性、運用などについて詳しく解説します。

概要

装甲車は、走行装置の形態により主に装軌式と装輪式に分類されます。装軌式は履帯を持つため不整地に強い特性を持ち、装輪式はタイヤを用いてより高速で安定した走行を可能にします。特に冷戦以降、装輪装甲車はそのコスト効率と運用の柔軟性から急速に普及しています。一般的に装輪装甲車は警察や民間の用途とも関連が深く、「装甲車」といえば多くがこのタイプを指します。

特徴

路上走行性能

装輪装甲車は舗装路で高い走行性能を発揮し、燃料消費が少なく、長距離を安定して走行できるため、作戦行動の能力が向上します。最高速度も100km/h以上に達しますが、装軌車両は70km/h程度に制限されます。

軽量かつ低コスト

装輪装甲車は一般的に軽量で、そのため購入コストも比較的安価です。エンジンや走行系が軽量で済むため、軍事予算においても有利です。加えて、輸送がスムーズに行えるため前線での機動力が高まります。

防護能力と威圧感

一般に装輪装甲車は装甲厚が薄めであり、高速走行時に求められるため防御力は限られています。それでも付加装甲や爆発反応装甲（ERA）を装備することで、特定の脅威には対応可能です。また、装輪装甲車は見慣れた大型トラックに似たデザインを持つため、威圧感が少なく、治安維持活動においては住民との摩擦を避ける効果があります。

分類

装輪装甲車は主に戦闘用と非戦闘用に分けられ、戦闘用は装甲が厚く武装が施されています。非戦闘用途では、輸送用や指揮通信車、救急搬送型など、様々な派生形態が存在します。

代表的なタイプ

1. 装甲兵員輸送車（APC）: 歩兵を運搬するための車両で、自ら攻撃を行わないが、簡易な防御兵器を持つことがあります。
2. 歩兵戦闘車（IFV）: 戦闘支援を行うことができる装甲車で、急速に普及しています。
3. 装輪戦車: 大口径砲を搭載しているが、装甲は軽量化されています。
4. 救急搬送型: 負傷者を治療施設へ搬送するための専用車両です。
5. 回収車型: 故障や被弾した車両を回収するための装備を備えています。

技術的特性

装輪装甲車は、軽量化のために装甲は比較的薄いものが多いですが、運用需要に応じたモジュール方式に基づき、任務に必要な機能を搭載可能です。また、アクティブ・プロテクション・システムなど、最新の防護技術にも対応し始めています。多くの車両が独立懸架式の全輪駆動を備え、柔軟な運用が実現されています。

結論

装輪装甲車は、コストパフォーマンスに優れた軍事車両であり、様々な環境での運用が可能です。装輪車両の進化に伴い、今後もその重要性は増していくと予想されます。

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