西大宮駅

西大宮駅：埼玉のベッドタウンを支える、川越線の要衝

西大宮駅は、埼玉県さいたま市西区西大宮に位置する東日本旅客鉄道（JR東日本）川越線の駅です。川越線において、後年になって新設された唯一の駅という歴史的な背景を持ち、その誕生には地域住民の長年の努力と、大規模な都市開発計画が深く関わっています。

開業までの道のり：40年越しの夢

日進駅と指扇駅の間は4キロメートルと長く、特に昭和40年代から、この区間への新駅設置を望む声が地元住民から盛んに上がっていました。埼玉栄高校の生徒たちが、危険な踏切や狭い道を徒歩で通学していたことが、新駅建設の大きな推進力となりました。学校側は生徒の安全確保のため、職員による立番指導を行うなど、深刻な状況に対応せざるを得ませんでした。

1998年には、住宅・都市整備公団（現・UR都市機構）が国道16号「西大宮バイパス」周辺の大規模な土地区画整理事業に着手。この事業と並行して、浦和市、大宮市、与野市の合併と政令指定都市移行計画が進められており、区役所の予定地付近への新駅設置が新聞報道されるなど、計画は徐々に具体化していきます。

2001年の3市合併によるさいたま市誕生、2003年の政令指定都市移行、そして西区役所の開設を経て、新駅計画は本格的に動き出しました。日進駅から西へ2.6キロメートル、指扇駅から東へ1.4キロメートルの位置に駅が建設されることが決定。当初は2007年度の開業を目指していましたが、土地買収の遅れにより、翌年度末への延期を余儀なくされました。駅北側は区画整理事業の進捗に伴い、2017年に町名地番変更が行われ、「西大宮」という駅名と同じ地名となりました。

駅の構造と特徴

西大宮駅は、相対式ホーム2面2線の地上駅で、一部3階建ての橋上駅舎を備えています。幅6メートルの南北自由通路、エスカレーター、エレベーターも整備され、バリアフリーにも配慮された設計となっています。大宮駅が管理する業務委託駅（JR東日本ステーションサービス受託）ですが、早朝や日中・夜間の一部時間帯は遠隔対応となるため、改札係員が不在となる時間帯もあります。

単線区間に設置されているため、列車交換が可能なシンプルな線路配線となっています。みどりの窓口はありませんが、指定席券売機、自動券売機、貸ロッカー、証明写真自動撮影機、自動販売機、NewDays KIOSKなどが設置され、利用者の利便性を高めています。なお、川越駅以西への直通列車は設定されていません。高麗川方面へのアクセスには、川越駅での乗り換えが必要です。

利用状況と周辺環境

2023年度の1日平均乗車人員は約12,099人です。開業以降、利用者は増加傾向にあり、地域の重要な交通拠点となっています。

駅周辺は、UR都市機構による大規模な土地区画整理事業によって整備が進められ、住宅地や商業施設などが集積しています。駅北側は「Liv-Field 西大宮」として再開発され、新しい街並みが形成されました。一方、駅南側ではさいたま市による土地区画整理事業が進行中で、今後の更なる発展が期待されています。国道16号（西大宮バイパス）、埼玉県道165号、埼玉県道216号など主要道路にもアクセスしやすく、利便性の高い立地です。さいたま市西区役所、さいたま市西消防署なども近隣に位置しています。

バス路線も充実しており、東武バスウエスト、さいたま市西区コミュニティバス、指扇地区乗合タクシー「あじさい号」などが運行されています。

まとめ

西大宮駅は、地域住民の強い要望と大規模な都市開発事業によって誕生した、川越線にとって重要な駅です。利便性の高い立地と周辺環境から、今後も更なる発展が期待されるでしょう。

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