西尾口駅

西尾口駅の概要

西尾口駅（にしおぐちえき）は、愛知県西尾市寄住町柴草にひっそりと位置する名鉄西尾線の駅です。この駅は、名鉄の運営する鉄道路線の一部で、駅番号はGN09とされています。西尾口駅と隣接する西尾駅までの距離は800メートルほどしかなく、利用者が少ないため過去には一部の列車が通過していたこともありましたが、現在ではすべての普通列車が停車するようになっています。この駅のホームからは、直線の線路を通じて西尾駅のホームまで一望できるという特徴もあります。

2006年には、西尾線の駅集中管理システムが導入され、利用者数が300人未満の駅を廃止する方針が発表されましたが、西尾口駅は市街地に位置するため廃止を免れました。

歴史

西尾口駅の起源は1928年にさかのぼります。同年の8月5日、碧海電気鉄道が現在の駅位置から約200メートル新安城方に仮駅を開設しました。当時、愛知電気鉄道の西尾線と連絡していなかったため、二つの鉄道路線は別々の運行を続けました。10月1日には、西尾駅の移転に伴い、愛電西尾線のルートが変更され、碧電もそれに合わせて西尾駅まで延伸開業しました。この時点で、二つの鉄道が接続する西尾口駅（仮駅）が設置され、乗換の便が向上しました。

1929年には岡崎新・西尾口間が電化され、直通運転が実現しますが、乗換駅としての役割を終えた仮駅は廃止されることになります。その後1930年には、地元の要望を受けて駅が再開業し、様々な歴史の中で駅名も変遷しました。1944年には碧海電気鉄道が名古屋鉄道に合併され、その際に駅名が統一されるという経緯もありました。

西尾口駅は1948年に西尾線に所属し、長い年月にわたる変遷を経て利用客が少なくとも、近年では徐々に増加傾向にあるようです。

駅の構造

西尾口駅は単式の1面1線で構成されており、高架駅として設計されています。無人駅でありながら、駅集中管理システムを導入し、乗客の利便性向上を図っています。また、manacaというICカードにも対応していますが、エレベーターは設置されていません。1989年には高架化工事が行われ、将来的に2面2線への整備ができるような設計がなされています。

利用状況

「移動等円滑化取組報告書」によれば、2020年度の1日平均乗降人員は450人となっています。過去のデータによると、2013年には418人、1992年時点では143人という少ない数値が残されています。かつて最も利用者が少ない駅であったものの、近年では徐々に利用客が増加しており、西尾線内でもその傾向が見られるようです。

駅周辺の施設

駅の周辺には、西尾市民病院や八ツ面山、久麻久神社などの施設が点在し、地元住民の生活に寄り添った環境が整っています。また、バス路線も多様で、名鉄東部交通バスや西尾市が運営するコミュニティバスが利用可能です。これにより、公共交通機関を利用してアクセスすることが容易です。2019年には、普通列車が誤って当駅を通過するというアクシデントも発生しましたが、駅の安全管理には万全を期しています。

西尾口駅は、その歴史や周辺の施設を背景に、今後も地域に根ざした駅として発展し続けることでしょう。

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