豊川稲荷駅

豊川稲荷駅：豊川線の終着駅、そして新たな出発

豊川稲荷駅は、愛知県の東部、豊川市に位置する名古屋鉄道豊川線の終着駅です。駅番号はTK04。JR飯田線の豊川駅と隣接しており、名鉄の駅としては最も東側に位置するという地理的な特徴を持っています。古くから参拝客の利用が多く、近年は周辺住宅地の発展に伴い、地域住民の生活の足としても重要な役割を担っています。

歴史：昭和から令和へ、変遷を遂げる駅

1954年12月25日、新豊川駅として開業しました。翌年には豊川稲荷駅と改称され、以来、地域の交通の中枢として発展を続けてきました。開業当初からの変遷をたどると、ホームの延伸や自動改札機の設置、ICカード乗車券の導入など、時代の変化に合わせて駅機能が向上してきたことが分かります。特に、2020年には老朽化した駅舎の建て替え工事が行われ、新しい駅舎が誕生しました。新駅舎は隣接するJR豊川駅と調和したデザインが特徴で、バリアフリーにも配慮されています。しかし、2024年4月からは終日無人化されることとなり、歴史の新たな一ページが刻まれることになります。

駅構造：頭端式ホーム、そして進化する設備

地上駅で、頭端式ホーム1面2線を有するシンプルな構造です。自動改札機や自動券売機も設置されており、利用者の利便性が向上しています。かつては1番線が4両編成に対応するのみでしたが、延伸工事が行われ、現在は6両編成に対応できるようになりました。列車の発着番線も変更され、現在では、名古屋本線との直通列車は主に1番線、豊川線内の普通列車は2番線から発着するようになっています。ただし、土休日午後7時以降の列車は2番線からの発着となります。また、1200系車両は構造上の理由から2番線のみの発着となります。

新駅舎建設に伴い、かつては混雑時などに臨時で設置されていた臨時改札口も、新駅舎でも引き続き設置されることになりました。これは、豊川稲荷への初詣など、年間を通して変動の激しい利用客に対応するためです。名鉄不動産による設計、小原建設による施工で、JR豊川駅舎とデザインの調和も図られています。

アクセスと周辺環境：豊川稲荷への玄関口

駅周辺には、豊川稲荷の参拝客向けの施設のほか、飲食店や商店なども多く立ち並び、賑わいを見せています。バス路線も充実しており、西口には豊川駅前バス停、東口には豊川駅東口バス停が設置されています。豊鉄バスや豊川市コミュニティバスが運行しており、周辺地域へのアクセスも容易です。

利用状況：地域住民の足として

豊川稲荷駅は、周辺地域住民の生活に密着した駅です。年間を通して安定した利用者数を誇り、特に豊川稲荷への初詣シーズンには多くの参拝客で賑わいます。1日平均乗降人員は5000人を超え、名鉄線内でも重要な駅の一つとして位置づけられています。しかし、近年は、JR豊川駅を利用する人が増加傾向にあるため、名鉄の利用者数減少も懸念されています。

その他：JRとの連絡と甲種輸送

JR豊川駅とは連絡線がないため、日本車輌製造豊川製作所からの甲種輸送列車は、複雑な経路を通って名鉄線に回送されます。これは、豊川駅～飯田線～豊橋駅～東海道本線～笠寺駅～名古屋臨海鉄道東港線～東港駅～名古屋臨海鉄道東築線（平面交差経由）～名電築港駅～名鉄築港線引込線～東名古屋港駅～名鉄築港線（平面交差経由）～大江駅というルートになります。

まとめ：歴史と未来を繋ぐ駅

豊川稲荷駅は、長い歴史を持つとともに、常に変化を遂げながら、地域社会に貢献し続けてきました。無人化という新たな局面を迎える中で、これからも地域の交通の要として、さらなる発展が期待されます。

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