賀茂御祖神社

賀茂御祖神社について

賀茂御祖神社、通称下鴨神社は京都市左京区に位置する歴史ある神社です。日本の古代から崇拝され、国際連合教育科学文化機関（UNESCO）の世界遺産にも登録されています。この神社は賀茂別雷神社（上賀茂神社）と一体で、賀茂神社とも呼ばれることからも、両者の重要性が伺えます。特に賀茂祭、通称葵祭は両社で盛大に行われ、多くの参拝客が訪れます。

神社の概要

この神社は、賀茂別雷命の母である玉依姫命とその父、賀茂建角身命を祀る神社で、名の由来はその両者から来ています。境内には糺の森や御手洗川など、自然豊かな場所も多くあります。特に御手洗池の水は葵祭の斎王代を清める聖水として使われ、その味は飲むことができます。

参道は2つの川の合流点を一直線に伸びており、直線的な構造が神社の荘厳さを際立たせています。境内には多くの重要文化財があり、国宝である東本殿と西本殿は、地域の文化的財産として大切にされています。

祭神と歴史

賀茂御祖神社では、東殿に玉依姫命、西殿に賀茂建角身命が祀られています。京都の神社の中では最も古い社のひとつとされ、創建は神武天皇の時代にまで遡ると伝えられています。文献上の初見は848年の『続日本後紀』にあり、その後、平安時代に入ってからは朝廷からの崇敬を受け、贅沢な祭事とともに神社の地位は向上しました。

特に大同2年（807年）には、最高位の正一位の神階を賜り、賀茂祭は勅祭となりました。こうして歴史的には大いに栄え、皇女が斎王として奉仕する伝統が続きました。近代になると、明治の社格制度で官幣大社に指定されるほどの重要性を帯びています。

境内とマンション建設問題

境内は数多くの文化財に恵まれ、重要文化財として指定されている建物が31棟もあります。また、境内の一部には近年マンションが建設されるというニュースがありました。これは式年遷宮の資金調達を目的としており、老朽化した施設を改良する形で行われましたが、開発に反対する声もあることから、議論を呼ぶ星となっています。

繁栄する祭事

賀茂御祖神社では、さまざまな祭事が行われています。代表的なものには、1月15日の御粥祭、5月3日の流鏑馬神事、5月12日の御蔭祭、5月15日の葵祭、7月に行われる御手洗祭などがあります。これらの行事は地域の文化や伝統を色濃く反映しています。特に葵祭は多くの観光客を引き寄せるメインイベントとして知られています。

まとめ

賀茂御祖神社は、訪れる人々に歴史と文化の深さを感じさせる場所です。その荘厳な社殿、美しい境内、そして重厚な祭りの数々は、訪れるすべての人に心の平安をもたらすことでしょう。神社自体が持つ豊かな歴史と文化を、これからも大切に守っていく必要があると考えます。

もう一度検索