越後平野

越後平野

越後平野は、新潟県の中部から北部にかけて広がる沖積平野であり、信濃川と阿賀野川という二つの大きな河川が形成したものです。この平野は、新潟平野や蒲原平野とも呼ばれますが、蒲原平野は新潟平野の下位概念として、大河津分水以北の地域を指す場合があります。

地理

越後平野は、南北約60km、東西約10～25kmに及ぶ広大な平野で、面積は約2,070km²です。西側には西山丘陵や角田・弥彦山地が、東側には東山丘陵、新津丘陵、笹神丘陵、五頭連峰、櫛形山脈といった山々が連なり、平野を囲んでいます。平野北部には、胎内川や加治川が形成した扇状地が見られます。

かつて、平野の海側は弥彦山地と新潟砂丘によって閉ざされており、砂丘の内側には多くの潟湖が存在していました。信濃川と阿賀野川の流路も時代によって変化していましたが、17世紀半ば以降、河道の安定化や分水路の建設が進められました。特に、1730年の松ヶ崎分水、1830年の新川掘削、1908年の加治川分水、1922年の大河津分水路の建設は、水害の防止と下流地域の開発に大きく貢献しました。

歴史

1950年代まで、越後平野は広大な低湿地帯でしたが、1948年の栗ノ木排水機場整備などを契機に、干拓や耕地整理が進められ、穀倉地帯へと変貌を遂げました。また、1950年代以降には、石油や水溶性天然ガスの採取も行われ、新津油田は日本有数の産油量を誇りました。しかし、1954年頃から沿岸部を中心に、天然ガス採取による地盤沈下が問題化し、信濃川河口部では約2m、鳥屋野潟周辺では40～80cmの地盤沈下が発生しました。

現在、下流域には鳥屋野潟、福島潟、佐潟などの潟湖が残っています。

地質

越後平野は、新潟-神戸歪集中帯の影響を強く受けており、特に沈降運動の影響で厚い沖積層が形成されています。平野は信濃川流域と阿賀野川流域で形成過程が異なり、信濃川流域では約8000年前、サロマ湖のようなラグーンが形成され、その後、堆積物で埋められました。一方、阿賀野川流域では、縄文海進期以降、上流の火山地帯からの土砂が堆積し、約5350年前には大規模な堆積が起こりました。これは、火砕流噴火でせき止められた只見川が決壊し、大量の土砂が平野部に流れ込んだことによるものです。

気候

越後平野は、日本海側気候に属しており、冬季には降雪が見られます。ただし、信濃川の中・上流域に比べると積雪量は少ないです。年間降水量は1,900～2,200mmと比較的多く、梅雨や秋雨、台風による豪雨も発生します。

ギャラリー

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脚注

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関連項目

新潟市の地理
新潟砂丘
大河津分水

外部リンク

潟の成り立ち - 新潟市潟のデジタル博物館
潟環境研究所刊行物 - 新潟市
アーバンクボタ No.17 特集「信濃川と新潟平野」 - 株式会社クボタ
信濃川下流域情報アーカイブ：越後平野の成り立ち - 国土交通省 信濃川下流河川事務所
越後平野はどうしてできたか？－古墳時代の越後平野を推理する－ - 新潟市

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