陸前山下駅

陸前山下駅（りくぜんやましたえき）

宮城県石巻市錦町に所在する陸前山下駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）仙石線の駅です。仙台方面と石巻を結ぶ仙石線の主要駅の一つであり、東北本線へ直通運転を行う仙石東北ラインの快速列車も停車します。

この駅の大きな特徴は、石巻港駅へと続く貨物支線が分岐している点です。この貨物支線は、日本貨物鉄道（JR貨物）が第一種鉄道事業者として運営しており、本線上の当駅から石巻駅方面に至るJR貨物の第二種鉄道事業区間と一体となって貨物列車が運行されています。

歴史

陸前山下駅の歴史は、1939年（昭和14年）2月1日に宮城電気鉄道の「宮電山下駅」として開業したことに始まります。その後、戦時中の1944年（昭和19年）5月1日には宮城電気鉄道が国有化され、運輸通信省（現在の国土交通省）の駅となり、同時に現在の駅名である「陸前山下駅」に改称されました。

1970年代には自動券売機が設置されるなど、設備の近代化が進みました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅として新たなスタートを切ります。2003年（平成15年）10月26日からはICカード「Suica」の利用が可能となり、利便性が向上しました。

しかし、2011年（平成23年）3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波は、駅にも甚大な被害をもたらしました。仙石線は全線で不通となり、旧駅舎も浸水の被害を受けました。津波の水が引いた後、被災した地域住民のために自衛隊による給水活動の拠点ともなりました。

震災からの復旧は段階的に進められました。同年7月16日には矢本駅から石巻駅までの区間で運転が再開され、陸前山下駅も仮駅舎で営業を再開しました。この仮駅舎は自動券売機と簡易Suica改札機のみが設置された無人駅としての運用でした。

2012年（平成24年）3月3日には新しい駅舎が完成し、使用が開始されました。同年9月29日には当駅と石巻駅間の自動閉塞式が復旧しましたが、陸前小野駅との間では依然としてスタフ閉塞式が用いられていたため、石巻駅から運転取扱いの係員が派遣される状況が続きました。貨物支線についても、同年10月9日に運転を再開しています。そして同年12月1日、陸前小野駅と当駅間の自動閉塞式（宮城野CTC管轄）が復旧したことにより、駅での運転取扱業務は終了しました。

2013年（平成25年）10月1日からは駅業務が外部に委託される形となりました。2015年（平成27年）5月30日には、同日運行を開始した仙石東北ラインのうち、快速列車の停車駅となり、仙台方面へのアクセスが改善されました。近年では、2024年（令和6年）10月1日から「えきねっとQチケ」サービスが導入されています。

駅構造

陸前山下駅は地上に位置し、島式ホーム1面2線を有する構造です。駅の西側からは石巻港駅（日本製紙工場構内）へと向かう貨物線が分岐しており、駅構内には貨物線の起点を示す0キロポストが設置されています。この貨物線は、ホームに面した1番線からのみ進入できる構造となっており、貨物列車は当駅で必ず運転停車を行います。

駅は石巻駅の管理下にあり、駅業務はJR東日本東北総合サービスへ委託されています。駅舎内には自動券売機が設置されているほか、簡易Suica改札機が備えられています。

のりば

※1番線は列車交換を行う際に主に使用されます。

利用状況

JR東日本が公表している情報によると、2023年度（令和5年度）における一日あたりの平均乗車人員は902人でした。過去の乗車人員の推移については、2000年度以降のデータが示されていますが、2004年度から2012年度にかけての統計は公表されていません。

駅周辺

駅周辺には、学校や公共施設、商業施設などが点在しています。

駅北側
石巻市立山下中学校
石巻市立貞山小学校
宮城県石巻工業高等学校
北上運河
国道45号
国道108号
宮城県道16号石巻鹿島台色麻線
駅南側
石巻警察署
石巻山下郵便局
石巻市立山下小学校
宮城県石巻好文館高等学校
齋藤病院
東北銀行石巻支店
ウジエスーパー石巻山下店

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）

■仙石線（普通）: 蛇田駅 - 陸前山下駅 - 石巻駅
■■仙石東北ライン（快速・赤快速・緑快速）: 蛇田駅 - 陸前山下駅 - 石巻駅（特別快速は通過）

日本貨物鉄道（JR貨物）

* 仙石線（貨物支線）: 陸前山下駅 - 石巻港駅

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