霊鷲山

霊鷲山について

霊鷲山（りょうじゅせん）は、インドのビハール州の中央部に座しており、仏教の重要な聖地として認識されています。この山は、仏教の経典において釈迦が『無量寿経』や『法華経』を説いた場所とされています。

名称の由来

霊鷲山は、サンスクリット語では「Gṛdhrakūṭa」または「グリドラクータ」と呼ばれ、パーリ語では「Gijjhakūṭa」と表記されます。中国や日本では、音写された表記や翻訳名がいくつか存在し、例えば「耆闍崛山」や「霊頭山」といった名称が使われます。「鷲峰山」や「霊山」とも呼ばれ、その名はハゲワシの姿に似た山の形に由来しています。この特徴的な形状により、山の名は付けられたとされています。

現在の位置

霊鷲山は、現在のラージギルの東側に位置するSaila-giriの南面にあり、具体的には北緯25度0分7秒、東経85度26分48秒の位置にあります。現在この山は「チャタ（Chata）山」とも呼ばれています。釈迦在世時には、マガダ国の首都王舎城の東北にあり、尼連禅河の近くにあった小高い山とされています。

霊鷲山の再発見

霊鷲山は長い間その存在を忘れられていましたが、1903年に大谷光瑞が率いる探検隊が山を探索し、仏教の古典に記された霊鷲山と同一であると確認しました。後のジョン・マーシャルによる調査により、この山は国際的にも認識されることとなります。伝説によると、昔、ビンビサーラ王もこの山に足を運び、特別な儀式が設けられたとされています。

経典における位置付け

霊鷲山は、釈迦の言動を記録した阿含経典群では、実際に説法が行われた記録は少ないものの、いくつかの経典において釈迦が霊鷲山にいたことが記されています。この山は大乗経典においては特に重要で、しばしば釈迦の説法のための舞台として描かれています。

霊山浄土と霊山会

霊鷲山は、法華経の聖地として「霊山浄土」と呼ばれる概念にも関連しています。これは、釈迦がここで教えを説くことで、釈迦仏が永遠にここにとどまり教えを施すという文化的な信仰を含んでいます。また、「霊山会」とは、江戸時代にこの地を模して行われた会合であり、信者たちが集まり詩歌を楽しむ場となっていました。

霊鷲山にちなんだ寺院

日本にも霊鷲山に関連する寺院が多く存在します。例えば、京都の霊山正法寺を中心とした霊山派や、奈良県の霊山寺が挙げられます。これらの寺院は、霊鷲山の名を冠しており、仏教の教えを広める役割を果たしています。

霊鷲山は、その歴史的な意義と宗教的な重要性から、多くの人々にとって特別な場所とされ続けています。

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