青空文庫

青空文庫とは

青空文庫（あおぞらぶんこ）は、日本における電子書籍サービスの一つで、著作権が消滅した文学作品や著者からの承諾を得た作品を収録し、無料で提供しています。このサービスでは、純文学から児童文学に至るまで、様々なジャンルが扱われています。運営はボランティアによるもので、広告収入や基金、助成金を元に成り立っています。

歴史と運営

青空文庫は、2017年には920万件以上の年間アクセス数を誇り、インターネット上の電子図書館としての地位を確立しました。設立の呼びかけ人は富田倫生や野口英司、八巻美恵、らんむろ・さてぃの4名であり、著作権が切れた作品をオンラインで公開する先駆者的存在として知られています。

作品は主にボランティアの手によって、青空文庫形式に基づくテキストファイルやHTMLとして電子化され、その形式は視覚障害者の読みやすさにも配慮されています。例えば、大きな文字で印刷したり、読み上げソフトウェアと併用することが可能です。オンラインでは、様々なプラットフォームで作品を閲覧でき、iOSやAndroid向けにはサードパーティによる専用アプリも提供されています。

収録作品

青空文庫には、明治期から昭和初期にかけての著作権の切れた作品が多く収められており、小説、詩、随筆はもちろんのこと、回想録や論文など多岐にわたるジャンルが存在します。ボランティアによる作品の入力と校正過程が重要であり、この方式により一般に有名な作品が収録されているわけではありませんが、知名度の低い作品も収められる可能性があります。特に著名な作家の作品としては、夏目漱石、芥川龍之介、そして海外作家のエドガー・アラン・ポーなどがあり、2011年には収録作品数が1万点を超えました。

ボランティアとシステム

青空文庫は完全にボランティアによる運営であり、利用は無料です。当初のサーバーは企業から提供されていましたが、その後もボランティアが中心となって運営が続いています。入力や校正を担当するボランティアは、それぞれに役割を持ち、入力者は底本を見ながら作品を入力し、校正者はその作品をチェックします。このような流れの中で、作品公開の日程が設定され、新着情報として発表されます。

形式と要件

テキストファイルは青空文庫形式に従う必要があり、これは多くの環境での読みやすさを考慮した規格です。改行や挿絵などの情報は原則含まれず、テキストビューアやエディタではルビや傍点が再現可能です。視覚障害者のために配慮されたルビの表記法も定められており、特に情報の正確性が重視されています。

著作権と規制

著作権保護期間について、青空文庫はその延長に懸念を抱いており、2005年から反対声明を発表し、請願署名を行っています。特に、TPP（環太平洋経済連携協定）と関連する法改正が進行する中で、著作権の変更に伴う影響が心配されています。

まとめ

青空文庫は、公共図書館的な存在として、日本国内外の著作物を多くの人に提供し続けることを目指しています。ボランティアの協力のもと、運営されるこのサービスは、文学に対するアクセスを広げ、文化の継承に寄与しています。

もう一度検索