音通

株式会社音通：多角経営からカラオケ機器販売へ特化

株式会社音通は、大阪府大阪市北区に本社を置く企業です。その歴史は、レンタルレコード店「レック」の運営から始まりました。その後、レンタルCDの卸売やカラオケ機器の販売・リース事業へと進出し、事業領域を着実に拡大していきます。

かつては、旧マイカルグループの食品スーパーを引き継いだ「F MART」を運営したり、ドラッグストア事業にも参入していました。2005年にはベスト薬品を子会社化し、関東地方でドラッグストアを展開しましたが、2007年にはドラッグ・オゾンに譲渡しています。また、100円ショップ「FLET'S」と「百圓領事館」を子会社である音通エフ・リテールを通じて展開していましたが、2021年にはワッツに全株式を譲渡して撤退しました。

現在、音通の事業の中核を担っているのは、カラオケ機器販売部門の音通エンタテイメントです。第一興商のオンラインカラオケシステム「LIVE DAM」や「デンモク」、JOYSOUNDの「fR」「f1」など、様々なカラオケシステムを全国のカラオケボックス、スナック、パブなどに販売・リースしています。これらのカラオケ機器は、多くの施設で利用されており、日本のカラオケ文化を支える重要な役割を担っています。

音通の沿革を振り返ると、1981年の設立以来、事業内容を変化させながら成長を続けてきたことがわかります。1990年には本社を京都市から大阪府高槻市に移転し、カラオケ機器、カラオケソフトの卸事業を開始。2000年には大阪証券取引所新市場部に上場、その後、大証ヘラクレス、大証二部と上場市場を変えながら、成長を遂げました。2006年には持株会社体制に移行し、事業部門を子会社化することで、より効率的な経営体制を構築しました。

2007年には音通マルチメディアを会社分割し、ビデオエイティーと統合するなど、組織再編を積極的に行ってきました。また、子会社であるハブ・ア・グッドを通じてフィットネス事業にも参入していましたが、その後、事業をファイコムに継承しました。2015年には音通マルチメディアとビデオエイティー・ソピックが合併し、音通エンタテイメントが誕生しました。

2021年には、音通エフ・リテールとニッパンの全株式をワッツに譲渡、100円ショップ事業から撤退しました。その後も、市場区分見直しにより東京証券取引所スタンダード市場へ移行するなど、変化に柔軟に対応し、事業を継続しています。

そして2024年8月、株式会社GENDAによる株式公開買付けにより、GENDAグループ傘下に入りました。これにより、音通は新たな展開を迎えることとなります。10月には東京証券取引所スタンダード市場の上場廃止、株式併合を経て、GENDAグループの一員として、更なる発展を目指していると言えるでしょう。

株式会社音通は、創業以来、常に変化を恐れず、新しいビジネスモデルに挑戦し続けてきました。その柔軟な対応力と、カラオケ機器販売における確かな実績が、今後のさらなる成長を支える礎となるでしょう。

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