高の原駅

高の原駅：関西文化学術研究都市の玄関口

駅の概要

奈良県奈良市朱雀三丁目に位置する近畿日本鉄道京都線（駅番号B24）の高の原駅は、1972年11月、平城ニュータウンの開発に伴い開業しました。駅名は、万葉集にも登場する佐紀丘陵の古称「高野原」に由来しています。現在は、関西文化学術研究都市へのアクセス拠点として、多くの人々で賑わう駅となっています。急勾配の線路建設という難工事の末、仮駅を経て、橋上駅舎を備えた現在の駅舎が完成しました。

歴史

高の原駅の建設は、平城駅から2.6km、山田川駅から1.6kmの地点に新駅を作る計画から始まりました。1972年7月、着工。急勾配のため、既存線路東側に約900mの複線を敷設し、上下線共通の95mホームと、線路上に架かる歩道橋に沿った駅舎が建設されました。

同年11月25日の平城ニュータウン入居に合わせ、予定地より約50m南に仮駅として開業。当初は普通と準急のみ停車し、1日の乗降客はおよそ750人でした。翌1973年5月16日には、橋上駅舎が完成し、本格開業。延床面積1,204㎡のRC+S造の駅舎は、将来的なホーム増設を見据えて、大型車10両分の用地が確保されていました。

1976年には上下待機線を敷設し、ホームを増設。2面4線の駅となりました。1977年には急行、1999年には一部特急の停車駅となり、利便性が向上しました。その後も、駅制御装置更新、ICカード対応、自動券売機導入など、時代の変化に合わせて駅設備の改良が続けられています。2020年にはインターホン対応定期券・特急券発売機が導入され、窓口は閉鎖されました。皇族の訪問や、期間限定スイーツ店出店など、様々な出来事もありました。

駅構造

高の原駅は、島式ホーム2面4線の地上駅で、橋上駅舎を有しています。外側の2線が主本線、内側の2線が待避線となっています。ホーム有効長は6両分。改札口は1ヶ所のみです。京都寄りに折り返し列車や回送列車用の引き上げ線があり、大和西大寺方面に延びる留置線もあります。駅周辺はすり鉢状の地形のため、橋上駅舎に駅の出入口が設置されています。

ダイヤと設備

特急を除く全ての一般列車と、一部特急が停車します。特急の停車本数は時間帯によって異なり、朝の上りと夕方以降の下り特急が停車します。年末年始の終夜運転では、2012年以降は上下ともに特急が停車するようになりました。かつては平日朝に当駅始発の京都行き急行がありましたが、2021年7月のダイヤ改正で廃止されました。

大和西大寺駅管理の有人駅で、PiTaPa、ICOCAに対応した自動改札機と自動精算機が設置されています。特急券や定期券は自動券売機で購入可能です。近鉄リテーリングが運営するファミリーマートも駅内にあります。また、当駅では大阪難波駅経由の阪神電鉄線連絡乗車券や、京阪電車の連絡乗車券も購入可能です。

利用状況

高の原駅の利用状況は、平城・相楽ニュータウンの開発や周辺の学校、関西文化学術研究都市の影響を大きく受けています。近年は、1日平均乗車人員が推移しています。（具体的な数値は省略）

駅周辺

高の原駅周辺は、平城・相楽ニュータウン、ならやま研究パーク、関西文化学術研究都市などの施設が集中しています。駅名由来となった万葉歌の歌碑や、平城・相楽ニュータウン50周年記念碑も設置されています。駅周辺には、商業施設、病院、学校、住宅地などが数多くあり、生活に便利な環境が整っています。東側にはJR大和路線平城山駅があり、国道24号も近くを通っています。西側にはイオンモール高の原などの商業施設が集中しています。南側は奈良大学などの教育機関が多く、北側は京奈和自動車道や国道163号にアクセスしやすい立地です。バス路線も充実しており、駅からのアクセスも良好です。

その他

かつては近鉄けいはんな線の延伸計画があり、駅前にその早期開業を求める看板がありましたが、現在は撤去されています。また、漫画『神のみぞ知るセカイ』にも登場するなど、文化的にも注目されています。

隣の駅

近畿日本鉄道
京都線
新祝園駅 - 高の原駅 - 大和西大寺駅（普通・急行）
新祝園駅 - 高の原駅 - 大和西大寺駅（特急、一部のみ停車）

括弧内は駅番号を示している。

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