高知信用金庫

高知信用金庫について

高知信用金庫（こうちしんようきんこ）は、四国の高知市を拠点とする信用金庫で、一般には「.comBANK（ドットコムバンク）」という愛称で知られています。この金融機関は、2021年度末時点での預金残高が8000億円を超え、四国において最も巨大な信金の一つとしての地位を確立しています。特に自己資本比率が40%以上を維持していることから、その経営基盤は非常に安定していると評価されています。

資産運用と経営課題

一方で、高知信用金庫の貸出金残高は思うように増加せず、預貸率は5割を下回る1割以下という状況です。このため、貸出に関する業績は他の信用金庫に劣っている現状があります。実際、彼らは高知県内の他の信金、特に預金残高が少ない幡多信用金庫にさえ貸出金残高で後れを取っています。このため、運営面では厳しい状況にあるともいえるでしょう。

高知信用金庫の主な収益源は、株式や債券の運用益に依存しています。特に、九州電力や関西電力などの大手電力会社において大株主となっており、安定した配当収入を見込むことができています。このような証券投資から得た収益は、「収益還元型定期預金・リターンA」といった高利回りの預金商品に還元され、多くの顧客にとって魅力的な選択肢となっています。

経営の多様性と技術革新

2011年6月、高知信用金庫は信金界初の女性理事長として山崎久留美を任命しました。これにより金融業界における多様性の拡充が期待されています。また、彼らは富士通と協力して、2025年1月に新しい勘定系システム「CORE01」を稼働させる計画を進めており、これによってデジタル化を進め、顧客サービスの向上を図っています。

沿革

高知信用金庫は、1923年に須崎信用組合として設立され、数回の改称や合併を経て、1968年に現在の名称に変更されました。信金としての歴史は長く、地域に根差した金融機関として地域貢献に努めてきました。さらに、1974年には安芸信用金庫と合併し、より広範囲なサービスを提供することが可能になりました。

ATMサービス

この信用金庫のATMは「強力（ゴーリキ）ATM」として知られ、四国・九州の信用金庫と連携して、ATMの利用に際して手数料がかからないサービスを展開しています。一般の顧客からも比較的利用しやすいシステムが整っている一方で、セブン銀行やローソン銀行、イオン銀行との提携がなされていないため、その点では制限があります。特に、2024年には他の信金が提携を結ぶ中で、唯一未提携の信金となっている点が注目されています。

このように、高知信用金庫は安定した経営を基盤に確固たる地域経済への貢献を続けていますが、貸出金の水準や提携の限界といった課題も抱えています。これからの展開が期待されるところです。

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