鯉川なつえ

鯉川なつえ：陸上競技界の多才な才能

鯉川なつえ（こいかわ なつえ）は、1972年8月2日、福岡県福岡市に生まれました。彼女は、元女子陸上競技選手として長距離走・マラソンで活躍し、現在は指導者、スポーツ解説者として、陸上競技界に貢献しています。

学生時代：バレーボールから陸上競技へ

福岡市立長丘中学校時代はバレーボール部に所属し、全日本中学校バレーボール選手権大会にも出場しました。その後、筑紫女学園高等学校に進学し、陸上競技の世界へ足を踏み入れます。高校3年時には、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）3000mで高校記録を樹立するほどの才能を発揮しました。しかし、レース終盤で早狩実紀選手にかわされ2位となりました。続く、とびうめ国体でも同様に、ラスト100mで早狩選手に抜かれ2位と、悔しい思いを経験しています。

高校駅伝では、第1回大会で最終5区を走り区間賞を獲得するも、チームは2位。翌年の第2回大会では1区で区間賞を獲得しましたが、チームは3位に終わりました。また、横浜国際女子駅伝の代表にも選ばれるなど、高校時代からその才能は際立っていました。

大学・社会人時代：挫折と成長

順天堂大学に進学後、日本学生陸上競技対校選手権大会でハーフマラソンの日本学生記録をマークして優勝。1993年のユニバーシアードバッファロー大会には、女子長距離走日本代表として出場しました。大学卒業後は三田工業へ就職し、競技を続けました。

1995年のユニバーシアード福岡大会では、女子マラソンに出場。レース中盤から先頭を独走しましたが、高温多湿の悪条件による熱中症を発症。ゴール手前で意識を失い、コースを逆走、迷走した末に昏倒してしまいました。この経験は、熱中症の事例として学会で発表されました。この出来事は、彼女にとって大きな挫折となりましたが、同時に、自身の身体と向き合うきっかけにもなりました。

指導者・解説者として

1998年に三田工業を退職後、順天堂大学陸上競技部の女子中長距離コーチに就任。立教大学非常勤講師などを経て、2019年時点では順天堂大学スポーツ健康科学部教授、陸上部女子監督、女性スポーツ研究センター副センター長を務めています。指導者として、多くの選手を育成し、その経験を活かして、スポーツ科学の研究にも携わっています。

また、2015年からは、年末恒例の全国高等学校駅伝競走大会・女子の部で、NHK総合テレビジョンの実況解説者を務めています。解説者としても、的確な分析とわかりやすい解説で、多くの視聴者から支持を得ています。

人物像

2019年には、TBSテレビ『消えた天才』に出演。同期生の高橋尚子さんからは、学生時代の鯉川さんを「『神様』です」と評されています。また、1995年のユニバーシアードでのアクシデントについて、「鳥肌が立つくらい『生きてて良かった』と思いました」と語っています。

著書に、『【陸上競技版】4スタンス理論』があります。

まとめ

鯉川なつえは、選手としてだけでなく、指導者、解説者としても、陸上競技界に多大な貢献をしています。彼女の経験と知識は、多くの人々に影響を与え、これからも陸上競技界の発展に貢献していくことでしょう。

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