鹿児島大学総合研究博物館

鹿児島大学総合研究博物館：歴史と自然、そして学問の融合

鹿児島大学総合研究博物館は、鹿児島県鹿児島市に位置する、国立大学法人鹿児島大学に附属する総合博物館です。九州南部から琉球列島、さらに東南アジアへと広がる太平洋西部地域を主な研究対象とし、この地域に関連する多様な資料を収集・保存・展示しています。単なる展示施設にとどまらず、活発な研究活動も行っている教育機関でもあります。

幅広い研究分野を網羅する総合博物館

本博物館は、自然科学と人文社会科学の研究分野を統合した総合的な研究を推進しています。自然部門では、生物学、自然史学、地質学、火山学といった分野の研究が行われ、人文社会部門では考古学を中心とした研究が展開されています。この地域固有の動植物、地質、歴史文化など、多角的な視点から研究を進めることで、この地域の理解を深めることを目指しています。

貴重な資料を展示する常設展示室

博物館の常設展示室には、鹿児島県内の遺跡から発掘された考古資料や、九州南部独特の火山性鉱物などが展示されています。これらの資料は、地域の自然史や歴史を理解するための貴重な手がかりとなります。展示室自体も歴史的な建造物で、旧制鹿児島高等農林学校の図書館書庫として1928年に建てられた建物です。鹿児島空襲や戦後の校舎改築にも耐え、高等農林学校時代の建造物として唯一現存する建物であり、日本の学校建築史において初期の鉄筋コンクリート造の貴重な例として、2006年には国の登録有形文化財に登録されています。歴史と学問が融合した空間で、来館者は貴重な資料を鑑賞することができます。

博物館の情報発信

博物館は、一般の方々や研究者に向けて様々な情報を発信しています。『ニューズレター』は最新の研究成果や博物館の情報を一般向けに分かりやすく紹介する冊子で、バックナンバーはPDFで閲覧可能です。『モノグラフ』や『研究報告』は研究者向けの学術誌として、専門的な研究成果を発表する場となっています。さらに『鹿児島大学総合研究博物館 年報』では、年間の活動報告を掲載しています。これらの出版物を通じて、博物館の活動内容や研究成果を広く社会に発信することで、地域社会への貢献を目指しています。

アクセス情報

博物館へのアクセスは、JR九州指宿枕崎線郡元駅より徒歩5分、または鹿児島市電郡元行き乗車「工学部前」下車徒歩2分です。

まとめ

鹿児島大学総合研究博物館は、歴史的建造物と貴重な資料、そして活発な研究活動が一体となった、魅力的な博物館です。自然と歴史、そして学問の融合を通して、この地域の理解を深めるための拠点として、今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

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