麗紅

麗紅（れいこう）：早生でジューシーな高級柑橘

麗紅は、ミカン科の常緑樹である柑橘類の一種です。タンゴールに分類され、その優れた品質から高い人気を誇ります。

誕生秘話と特徴

農研機構（旧農林水産省果樹試験場）において、1984年に「清見」と「アンコールNo.5」という2種類のタンゴールを掛け合わせ、さらにタンゼロの「マーコットNo.3」を交配することで育成されました。2005年12月に品種登録された麗紅は、同じ交配パターンを用いて育成された「せとか」とは系統が異なります。

麗紅の中でも、特に佐賀県JAからつが、樹上で十分に熟成させ、さらに貯蔵することで酸度を低く抑えた栽培法を確立し、「はまさき」として販売しています。「はまさき」は品種名ではなく、同JAの商標です。

麗紅の大きな特徴は、その早生性です。「清見」や「せとか」よりも収穫が早く、1月中下旬に収穫を迎えます。果実は扁円形で、200～300グラムとタンゴールとしては比較的大型です。果皮は非常に薄く、なめらかで美しい赤橙[[色]]をしています。果汁は豊富で、オレンジとマーコットを合わせたような芳醇な香りが特徴です。じょうのう膜はやや厚めですが、甘みと酸味のバランスが良く、食味は良好です。

花粉がないため、他の柑橘類の花粉によって受粉しなければ種無し（無核）となります。そのため、近くに同時期に開花する柑橘類があると種子が入ってしまう可能性があります。また、若い樹にはトゲが多いですが、樹齢を重ねるごとにトゲの数は減少していきます。浮き皮や裂果は少ないですが、2月を過ぎると発生しやすくなるため、収穫時期には注意が必要です。

生産と普及

2010年の日本の麗紅の収穫量は270トンにのぼり、その約60％が佐賀県で生産されています。佐賀県における独特の栽培技術と、その品質の高さが、麗紅の生産を支えていると言えるでしょう。

まとめ

麗紅は、その早生性、大玉、薄皮、そして美しい外観と芳醇な香りに加え、優れた食味を兼ね備えた、まさにプレミアムな柑橘と言えるでしょう。近年、その人気はますます高まっており、高級柑橘として高い評価を得ています。早春の訪れを告げる、特別な柑橘として、多くの人々に愛されています。今後も、生産者の方々の努力と技術によって、より多くの人々に麗紅の美味しさが届けられることを期待しています。

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