黒バイ

黒バイの概要

黒バイ（くろバい）は、日本の警察において使用される特殊な自動二輪車を指します。最初は交番でのパトロール用自動二輪車全般を意味していましたが、2002年に和歌山県警察が導入した覆面車両がこの名称の主な例として知られるようになりました。特にこの黒バイは、暴走族の取り締まりや交通違反の取り締まりのために使用されます。

交番用オートバイ

交番でのパトロールに使用されるオートバイは「ビジバイ」とも呼ばれ、通常はスズキのK90やホンダのCD90などのモデルが多く採用されています。最近ではホンダのスーパーカブも利用され、黒色以外にもグレーなどのオートバイが使用されています。これらのオートバイは、後部に書類箱を備え、パトロール業務をサポートしています。また、従来は脱着可能なウインドシールドが装備されていましたが、現在はその設計は廃止されています。

近年では、スズキのアドレスV125やホンダのリード110などの白いスクーターも採用されることが増加しています。地元の都道府県によっては禁止されていない限り、特定のモデルを選択することが可能であり、特に大阪府警や神奈川県警ではヤマハのトリシティ125といった特異なモデルも使用されています。交通違反取り締まりのためのパトロールシーンには125ccクラスのバイクが多いですが、50ccの原動機付自転車も使用されています。

覆面車両

覆面車両のオートバイは、和歌山県警察や青森県警察、警視庁、宮城県警察などが導入しており、特に和歌山県警察による黒バイの導入が有名です。2002年2月に和歌山県警の暴走族対策室が導入した「黒豹」は、この黒バイの先駆けであり、全国初の暴走族対策専用覆面オートバイとされています。導入以来、特にゴールデンウィーク中には多くの暴走族を検挙することができ、その効果は明白でした。

特殊装備

黒バイには多様な特殊装備が搭載されており、主に以下の機能が含まれます。

• - 撮影機能: 高性能の全天候型ビデオカメラやスチルカメラを搭載し、現場の証拠を記録します。これにより後日の取り締まりに役立てられます。
• - 採証液発射装置: 特殊染料液を飛ばすことができ、一定の距離からでもマーキングが可能です。
• - 警棒: ハンドル上に素早く取り出せるように装備されています。
• - 乗車服: 黒色系の服装で目立たなくする工夫がされており、ヘルメットはフルフェイスタイプです。

また、和歌山県警が導入したホンダ・ホーネットを通称「銀虎」と呼び、250ccの機動性を活かして狭い場所での追跡を行っています。これらの黒バイは、通常の白バイとは異なる設計がされており、追跡に特化した仕様が多いのが特徴です。

黒バイと白バイの違い

黒バイは、特に暴走族や悪質な交通法律違反を取り締まるために開発されています。そのため、白バイとは異なり、デザインや装備が専用に最適化されています。例えば、フロントカウルに設置されたカメラや、低い位置に取り付けられた信号灯は、被追跡車両からの視認性を下げるための工夫がされています。以上の点から、黒バイは日本の警察において重要な役割を果たしています。

黑バイは、単なる交通パトロール用車両に留まらず、暴走族対策や厳罰化の一環として警察の活動を支える重要な資源となっています。

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