和歌山県警察

和歌山県警察の概要

和歌山県警察は、和歌山県における公安委員会管理下の都道府県警察です。略称は「和歌山県警」。本部は和歌山市に位置し、県下の安全と秩序維持に日々尽力しています。県知事が給与を支払う組織であり、警察庁近畿管区警察局の管轄下にあります。

沿革

1948年（昭和23年）の旧警察法施行により、それまでの和歌山県警察部は廃止され、国家地方警察和歌山県本部と、和歌山市警察など複数の自治体警察へと分割されました。その後、1954年（昭和29年）7月1日、新警察法の施行に伴い、現在の和歌山県警察へと再編成されました。以来、時代の変化に合わせ組織改編や新たな部署の設置などを経て、現代の警察活動に対応しています。

本部組織

和歌山県警察本部は、以下の部署で構成されています。

警務部: 総務、会計、人事、監察、広報、施設管理など警察全体の運営を担う部署です。警察音楽隊もこの部に所属します。犯罪被害者支援にも力を入れています。
生活安全部: 生活安全にかかわる犯罪の予防、地域の安全対策、少年の健全育成、生活環境の保全などを担当します。地域課、少年課、サイバー犯罪対策課などが含まれます。
刑事部: 殺人、強盗、傷害などの重大犯罪の捜査、組織犯罪対策、鑑識などを担当する部署です。捜査第一課、捜査第二課、組織犯罪対策課、鑑識課などが含まれ、科学捜査研究所も設置されています。
交通部: 交通事故の減少、交通ルール遵守の指導、交通規制、運転免許業務などを担当します。交通[[機動隊]]、高速道路交通警察隊なども含まれ、運転免許試験場も管轄下にあります。近年は高齢運転者支援にも注力しています。
警備部: 公安対策、警備、災害対策、要人警護などを担当する部署です。警察航空隊、機動隊なども含まれます。
警察学校: 警察官の養成を行う機関です。

さらに、県内には12の警察署が設置され、それぞれの地域で警察活動が行われています。警察車両のナンバープレートは全て「和歌山」となります。

主な事件・不祥事

和歌山県警察は、その歴史の中で数々の事件や不祥事を経験しています。

主な事件:
1998年（平成10年）7月25日：和歌山毒物カレー事件
2018年（平成30年）5月24日：紀州のドン・ファン事件
2023年（令和5年）4月15日：岸田文雄襲撃事件

主な不祥事:
留置場での被疑者死亡事件（2004年）：留置場における被疑者の死亡事件では、県警の複数の警察官が業務上過失致死の罪で罰金刑を受けました。遺族からの損害賠償請求訴訟も起こされています。
警察官による不祥事（2011年～2023年）：警察官によるわいせつ行為、証拠品鑑定の捏造、捜査情報の漏洩、暴力団関係者との不適切な交際、飲酒運転、パワーハラスメント、名誉毀損、誤逮捕など、多数の不祥事が発生しています。これらの不祥事では、懲戒処分や刑事処分が下されています。
捜査車両の車検切れ（2015年）：捜査車両の車検切れによる捜査継続が判明しました。
拳銃紛失事件（2018年）：警護車両からの拳銃紛失事件が発生しました。

これらの事件や不祥事は、県民からの信頼を損なうものであり、和歌山県警察は再発防止策に力を入れています。

独自の取り組み

和歌山県警察は、独自の取り組みも行っています。

黒バイ（黒豹）の導入（2002年）: 全国で初めて黒塗りの白バイを導入し、暴走族対策に効果を上げています。
マスコットキャラクター「きしゅう君」: 1994年（平成6年）に誕生したマスコットキャラクターです。

参考文献

和歌山県警察史編さん委員会『和歌山県警察史 第2巻』和歌山県警察本部、1991年3月31日
清水敬史『激動の紀州昭和50年史』清水編集事務所、1976年5月1日
和歌山県警察史編さん委員会『和歌山県警察史 第3巻』和歌山県警察本部、1995年2月1日

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