(524522) Zoozve

Zoozve：金星の奇妙な仲間

[2002年]]11月、ローウェル天文台の自動観測プロジェクトによって発見された小惑星Zoozve(524522)。この小惑星は、地球近傍小惑星であり、潜在的に危険な小惑星]に分類されています。しかし、Zoozveの最も特筆すべき点は、[[金星の準衛星であるということです。

金星を回る奇妙なダンス

発見以来、Zoozveは600回以上観測され、その軌道は詳細にわたって解明されました。なんと、過去7000年間、そして今後500年間も、金星と1:1の軌道共鳴状態を維持しているのです。これは、金星から見るとZoozveがまるで衛星のように見えることを意味します。金星は天然の衛星を持たないため、Zoozveは金星にとって唯一の準衛星と言えるでしょう。

地球への接近と潜在的リスク

Zoozveは金星横断小惑星であるだけでなく、水星横断小惑星、地球横断小惑星でもあります。そのため、地球や水星に定期的に接近します。特に地球への接近は、その軌道が地球の軌道長半径とほぼ等しいため、PHAとしての分類につながっています。

地球との軌道共鳴は8:13に近く、約8年ごとに地球に接近します。最も近い接近は2149年11月19日で、約350万kmまで近づくと予測されています。数値シミュレーションによれば、今後1万年の間に地球に衝突する可能性は低いものの、月よりも近い距離まで接近する可能性は否定できません。水星への接近も5～6年周期で繰り返され、2083年には約340万kmまで接近すると予測されています。一方、金星とは1:1の軌道共鳴のため、約3000万km以内には接近しません。

謎めいた物理的性質

Zoozveの直径は約236mと推定されています。絶対等級は20.54等級で、アルベドは0.20と推定されています。13.5時間の自転周期を持ち、光度曲線から細長い形状をしていると考えられています。これは、Zoozveが接触二重小惑星である可能性を示唆しています。スペクトル分類はX型小惑星であり、特殊な組成を持つと推測されています。

ユニークな命名

発見当初は仮符号2002 VE68で呼ばれていましたが、2019年に小惑星番号524522が与えられました。そして2024年、ラジオ番組「Radiolab」で、ある太陽系ポスターに描かれていた「ZOOZVE」という謎の天体がZoozveであることが判明。この誤記をきっかけに、正式名称がZoozveに決定しました。

未解明な部分が多い魅力的な小惑星

Zoozveは、金星の準衛星というユニークな軌道、地球への接近可能性、そして謎めいた物理的性質と命名の経緯を持つ、非常に興味深い小惑星です。今後の観測によって、その謎がさらに解き明かされることが期待されます。

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