ТУ8П形気動車

ТУ8П形気動車

ТУ8П形気動車（ロシア語: ТУ8П）は、カムバルカ機械製作工場が1988年から製造している単端式の気動車です。形式名の「ТУ8П」は、ロシア語で「狭軌用ディーゼル機関車8形旅客輸送型」を意味し、ここから「Тепловоз Узкоколейный, тип 8, для перевозки Пассажиров」の頭文字が取られています。これは、特に狭軌鉄道における旅客輸送を目的として設計されたことを示しています。

概要

ТУ8Пは、軌間が750mmから1067mmの範囲にある狭軌鉄道での運行に対応しています。最初は狭軌用ディーゼル機関車であるТУ8Г形操重車を基に製造されましたが、0058号車以降はロシア連邦や旧ソ連における一般的な1520mm軌間で運行されるよう設計されました。この機関車のユニークな点は、単端式でありながらも転車台やデルタ線への依存がなく、保線用のモーターカーのようにその場で方向転換ができる機能も持っていることです。

歴史

カムバルカ機械製作工場では、以前は狭軌鉄道向けにТУ6П形を製造していましたが、1988年からはその改良版であるТУ8Пの生産を開始しました。初期の0001号から0008号車は、オリジナルの仕様で製造されましたが、0056号車以降は既存のТУ6П形を改造して新たにТУ8П形に編入されることとなりました。0058号車以降はすべて1520mmの軌間に改修されています。

0084号車からは、顧客の要望により「АМ1形」という新しい形式名が付けられましたが、基本的な仕様は従来のТУ8П形と変わりありません。ここで注意すべきは、デミホヴォ機械製作工場が製造したАМ1形とは異なり、このТУ8П形は狭軌鉄道路線向けに特化している点です。

運用

ТУ8П形気動車の運用状況については、特に0007、0008、0056、0057号車の4両がサハリン地域の鉄道に投入されています。さらに1990年には、ウズベキスタンのジザフ州にあるグブチャ子供鉄道向けに、0003および0004号車が運行されることが決まり、このように地域に応じた柔軟な対応が求められています。

結論

このТУ8П形気動車は、狭軌鉄道における旅客輸送を目的に設計された優れたディーゼル機関車であり、独自の設計思想と機能性によって様々な地域での利用が進められています。今後も、地域のニーズに応じた運用が期待されるモデルであると言えるでしょう。

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