デルタ線

デルタ線の概要

デルタ線、または三角線とは、鉄道の線路が三角形の形を形成するよう配置されている構造を指します。この配線方法は、転車台を用いることなく、機関車や列車の編成ごとに向きを変えることを可能にします。日本では、その形状がギリシャ文字のデルタ（Δ）に似ているため、そう呼ばれていますが、英語では「ワイ（wye）」と称されています。

この配線が特に利用されるのは、3つの異なる路線が交差する地点であり、列車の進行方向を保ったまま、あらゆる方向への直通運転が可能です。これにより、デポや駅での機関車の向きを効率的に変更することができます。

利用例と歴史

日本では、1950年代に運行されていた特急列車「つばめ」と「はと」にデルタ線が活用されました。これらの列車は、編成の後部に展望車を配置する必要があり、全体の向きを変えるために、東京・品川、大阪での方向転換が行われました。これを三角線回しとも呼び、特に蒸気機関車（SL）では、進行方向により前後が決まっているため、全体の向きを転換することが重要でした。

通常、転車台を使いますが、デルタ線を用いることでスペースを節約しつつ、方向転換を行うこともありました。特に、軽便[[鉄道]]などの小規模な鉄道路線では、この方法がよく見られます。また、日本国有[[鉄道]]（国鉄）時代にも、SLの方向転換のために使用されたデルタ線が北海道や樺太に存在しました。日本国内のデルタ線の数は少ないですが、世界中では広く普及しています。

日本のデルタ線

現存するデルタ線には、以下のようなものがあります：

• - JR東日本: 品川駅、大崎駅、立川駅、大宮操車場などにデルタ線が存在します。
• - JR西日本: JR神戸線やJR京都線に関連する路線でもデルタ線が敷設されています。
• - JR四国や西武[[鉄道]]、名古屋[[鉄道]]、さらに近畿日本[[鉄道]]や東京都交通局でも各種のデルタ線が存在しています。これにより、日本各地で転換作業が効率化されています。

廃止されたデルタ線

過去に存在していたミャンデルタ線も多く、例えば官営幌内鉄道や関西本線の一部区間で使用されていた例が挙げられます。これらの線は、運用状況や路線の再編成に伴い、現在は使用されていないか廃止されています。一部はダイヤモンドクロッシングの形で残っていることもあります。

世界のデルタ線

韓国や台湾、中国、マレーシアなどでもデルタ線が見られます。韓国では京釜線、台湾では海岸線に関連する区間がデルタ線となっています。また、中国では京広線などに起因するデルタ線が設けられています。これにより、各国の鉄道システムにおいても、効率的な運行が支えられています。

まとめ

デルタ線は、鉄道における重要な技術であり、線路の効率的な運用を促進する役割を果たしています。特に、機関車の向きを柔軟に変えることができるため、転車台の代替手段としても機能します。日本国内外の多数の路線において、この独特な配線方法は欠かせない存在となっています。

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