“GIGS” CASE OF BOØWY

“GIGS” CASE OF BOØWY とその関連作品

『“GIGS” CASE OF BOØWY』は、日本のロックバンドBOØWYが1987年に行った伝説的なライブを収めた作品群です。オリジナル版、完全版、そして神戸・横浜公演それぞれのバージョンなど、様々な形態でリリースされ、多くのファンを魅了し続けています。

背景：解散へのカウントダウン

BOØWYは、4枚目のアルバム『JUST A HERO』の成功後、商業的な成功を目指し『BEAT EMOTION』をリリース。オリコンチャート1位を獲得するも、メンバー間には音楽性の相違が生まれ始めます。布袋寅泰の海外志向がきっかけとなり、バンドは解散の危機を迎えます。1987年2月24日の日本武道館公演後、メンバーは解散の意向を事務所に伝え、同年12月24日の渋谷公会堂公演で氷室京介から解散が発表されました。

“GIGS” CASE OF BOØWY：伝説の幕開け

解散発表前の1987年7月31日と8月7日、BOØWYは神戸ワールド記念ホールと横浜文化体育館で「“GIGS” CASE OF BOØWY」を開催。デビュー以来のほぼ全楽曲を演奏するという4時間にも及ぶライブは、まさに集大成とも言える内容でした。このライブは、当初氷室京介が乗り気ではなかったものの、メンバーが解散を見据えていたからこそ実現したとも言われています。

ライブの構成と演出

ライブは2部構成で行われ、1部ではスーツ姿、2部ではタンクトップ姿で登場するなど、視覚的な変化も楽しめました。未発表曲「PLASTIC BOMB」や「RENDEZ-VOUS」も披露され、ファンを熱狂させました。アンコールでは「BEAT SWEET」「BLUE VACATION」「ONLY YOU」「ON MY BEAT」が演奏され、感動的なフィナーレを迎えました。

リリースとチャート成績

ライブの模様は、まずビデオ作品としてリリースされ、その後2001年にライブアルバム『“GIGS” CASE OF BOØWY』が発売。オリコンチャートで最高位3位を記録し、26.4万枚を売り上げました。このアルバムは、BOØWYのアルバム売上ランキングで8位にランクインしています。

“GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETE：完全版の登場

2007年には、『“GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETE』がリリース。オリジナル版に収録されなかった11曲を追加し、全39曲を収録した完全版として、よりライブの全貌に迫る内容となっています。オリコンチャートでは最高位18位を記録しました。

“GIGS” CASE OF BOØWY -THE ORIGINAL-：原点回帰

2017年には、デビュー35周年を記念して『“GIGS” CASE OF BOØWY -THE ORIGINAL-』が発売。神戸・横浜両公演の全78曲を収録し、セットリストを完全再現。各公演ごとのCDもリリースされ、ファンにとっては垂涎のアイテムとなりました。オリコンチャートでは、『THE ORIGINAL』が6位、『at KOBE』が44位、『at YOKOHAMA』が36位を記録しています。

まとめ

「“GIGS” CASE OF BOØWY」は、BOØWYの音楽史における重要なターニングポイントであり、解散という悲劇を前に、メンバーが全身全霊で挑んだライブの記録です。様々な形態でリリースされたこれらの作品は、BOØWYの魅力を今に伝える貴重な財産と言えるでしょう。

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