あかぎ (列車)

特急「あかぎ」：歴史と変遷、通勤輸送を担う列車

特急「あかぎ」は、JR東日本が上野駅・新宿駅と鴻巣駅・本庄駅・高崎駅間を、山手線・東北本線（宇都宮線）・高崎線経由で運行する特別急行列車です。本記事では、その概要、運行状況、使用車両、そして過去に両毛線で運行されていた優等列車の沿革について解説します。

概要

列車名の由来は、群馬県中央部に位置する赤城山です。草津温泉や水上温泉郷への観光客輸送を担う特急「草津・四万」「水上」と同様に、上野駅から東北本線・高崎線を経由します。

「あかぎ」の歴史は1950年、上野駅 - 桐生駅・小山駅間を東北本線・高崎線・両毛線経由で運行する快速列車として始まりました。1960年には上野駅 - 前橋駅間を毎日運転する臨時準急列車となり、1961年に定期列車化。1966年に急行列車に格上げされ、「はるな」と統合し2往復での運転となりました。1982年11月15日、上越新幹線開業に伴うダイヤ改正で特急（新特急）へと格上げされました。

運行概況

2023年3月18日現在、定期列車は上下5本が設定されています。うち上下3本は土休日運休、上り1本は土休日のみ運転です。下り列車は夕方以降、上り列車は朝の時間帯に運行されます。金曜日には、下り最終の9号よりも遅い時間に臨時列車が1本設定されます（81号 上野発本庄行き）。

基本は上野駅 - 高崎駅間の運行ですが、平日のみ一部に本庄駅発着の区間列車が存在します。また、平日のみ新宿駅行き、鴻巣駅行きの列車が1本ずつあります。

座席未指定券制度が導入されており、列車・座席を指定せずに空席に着席可能です。

2025年3月のダイヤ改正で、特急「あかぎ」は土休日運転を取りやめ、通勤利用に特化した列車となります。4号は高崎始発から鴻巣始発、5号は高崎行から本庄行へ短縮される予定です。これにより、土休日のみの10号は廃止、上野発高崎行きは1本、高崎発は新宿行き1本のみとなります。

停車駅

上野駅 - 赤羽駅 - 浦和駅 - 大宮駅 - 上尾駅 - 桶川駅 - 北本駅 - 鴻巣駅 - 熊谷駅 - 深谷駅 - 本庄駅 - 新町駅 - 高崎駅

新宿駅行きの新宿駅 - 大宮駅間の停車駅は、新宿駅、池袋駅、大宮駅です。

1号は上野駅 - 鴻巣駅間、2・3・7号および平日の8号は上野駅 - 本庄駅間のみ運転。6号のみ新宿駅行きとして運転されます。

使用車両・編成

2023年3月のダイヤ改正以降、E257系2500番台とE257系5500番台（共に5両編成・全車普通車指定席）が使用されています。

特急化当初は185系が使用されていましたが、2014年3月15日のダイヤ改正で上野駅発着列車が651系に置き換えられました。2016年3月26日のダイヤ改正で全ての列車が651系による運行となりました。その後、2023年3月改正で全列車がE257系5両編成での運行に変わりました。

185系・651系時代にはグリーン車や普通車自由席がありましたが、E257系への置き換えにより消滅しています。

スワローあかぎ

2014年3月15日から2023年3月17日まで、平日に「スワローあかぎ」が運行されていました。全車指定席で、列車・座席を指定せずに乗車できる座席未指定券が導入されていました。列車名・サービス名の「スワロー」は、「座ろう」という意味合いと、ツバメの英語表記「Swallow」に由来します。

両毛線優等列車沿革

1950年、上野駅 - 桐生駅・小山駅間を高崎線・両毛線経由で運転する快速「はるな」・「あかぎ」などが運転開始されました。その後、準急、急行へと格上げ、統合などを経て、1985年に急行「はるな」が廃止。「あかぎ」はエル特急「新特急あかぎ」となりました。

2002年にエル特急の名称が廃止され、特急「あかぎ」となり、2014年には全車指定席の「スワローあかぎ」が運転開始。2023年に「あかぎ」に統合され、現在に至ります。

もう一度検索