あしずり (列車)

特急「あしずり」：土佐路を駆け抜ける列車の歴史と現在

特急「あしずり」は、高知県内の主要都市を結ぶ重要な役割を担う特急列車です。JR四国と土佐くろしお鉄道が、土讃線・中村線・宿毛線を経由して高知駅と中村駅・宿毛駅間を結んでいます。その歴史は古く、1961年に準急「足摺」として運行を開始しました。

歴史

1961年（昭和36年）に高松駅 - 須崎駅間を走っていた準急「土佐」の一部区間を延長する形で「足摺」が誕生しました。1968年（昭和43年）には、高知駅以西を急行運転していた「南風」と統合され、「あしずり」と改称されました。当時は7往復も運行されていましたが、1972年（昭和47年）に特急「南風」が登場すると、徐々に本数を減らし、国鉄末期には3往復まで減少しました。

1990年（平成2年）には、2000系気動車が「南風」に投入されたことで車両に余裕ができたため、「あしずり」は特急列車として復活しました。列車名は、高知県土佐清水市にある足摺岬に由来しており、一般公募で1位となった名前が採用されました。

運行概況

2025年（令和7年）3月現在、高知駅 - 中村駅間に6往復、高知駅 - 宿毛駅間に1往復、合計7往復が運行されています。高知駅では、岡山・高松方面の特急「南風」「しまんと」と接続しており、乗り換えもスムーズに行えます。

特急化以降は、「南風」「しまんと」を高知駅で系統分割する役割を担っており、運行本数や区間も時代によって変化してきました。かつては下り列車のみが運行されていた時期もありましたが、2011年（平成23年）に上り列車が復活し、その後増発が重ねられ、現在に至ります。

2019年（令和元年）9月からは、新型車両2700系気動車が投入され、2024年（令和6年）3月のダイヤ改正で3往復が2700系での運転となりました。

停車駅

主な停車駅は以下の通りです。

高知駅
伊野駅
佐川駅
須崎駅
土佐久礼駅
窪川駅
土佐佐賀駅
土佐入野駅
中村駅
平田駅
宿毛駅

一部列車のみが停車する駅もあります。

使用車両

現在、「あしずり」には、高知運転所に所属する2000系気動車と、高知運転所・高松運転所および土佐くろしお鉄道中村車両基地に所属する2700系気動車が使用されています。繁忙期には、2700系が不足する場合、松山運転所から2000系・N2000系が借り受けられます。

過去には、キハ181系気動車やキハ185系気動車も使用されていました。

これからの「あしずり」

特急「あしずり」は、高知県民にとって重要な交通手段であり、観光客にとっても四国西南部の美しい景色を楽しむための足として、これからも活躍していくことが期待されます。新型車両の導入やダイヤ改正などを経て、さらに快適で便利な列車へと進化していくことでしょう。

参考文献
寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年

外部リンク
JR四国 車両情報
土佐くろしお鉄道 特急列車

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