須崎駅

須崎駅：土讃線の要、そして歴史を刻む駅

須崎駅は、高知県須崎市原町一丁目に位置する、四国旅客鉄道（JR四国）土讃線の駅です（駅番号：K19）。須崎市を代表する駅として、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。多くの特急列車が停車するなど、土讃線における拠点駅としての地位を確立しています。

歴史と変遷：

須崎駅の歴史は古く、1924年（大正13年）3月30日、土讃線の前身である高知線の起点駅として開業しました。須崎港からの資材搬入を基点に、土讃線の建設が始まったという、土讃線にとって非常に重要な駅であると言えるでしょう。

昭和天皇の戦後巡幸では、1950年（昭和25年）3月22日、お召し列車が5分間停車し、駅前での奉迎が行われました。1955年（昭和30年）には現在の駅舎が完成。その後も、自動券売機の設置（1983年）、車扱貨物取扱廃止（1984年）、国鉄分割民営化によるJR四国への移管（1987年）、駅構内へのベーカリーオープン（1992年）、駅内郵便局開設（2009年）など、様々な変化を遂げてきました。

近年では、2021年10月以降にみどりの券売機プラスの利用を開始。そして同年12月には、高知県の鉄道発祥の地（旧国鉄高知線起点駅）であることを記念して、英国風の駅舎へと大規模な改装工事が行われました。この改装工事には、高知信用金庫の100周年記念事業による約7千万円の寄付金が活用されています。れんが造り風の外観、三角屋根、鱗形の屋根板、ロイヤルブルーに塗り替えられたホーム内の柱など、見違えるほど美しく生まれ変わった駅舎は、多くの人の注目を集めています。しかしながら、みどりの窓口は2022年1月31日をもって営業を終了しました。

駅構造と設備：

須崎駅は、駅舎に接した単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、合計2面3線のホームと3線の側線を有する地上駅です。島式ホームは幅が狭く、ホーム間の移動には跨線橋を利用します。特急列車は1番線と2番線から発着します。駅には発車標や自動放送設備がなく、列車の案内は駅員による放送で行われています。

駅舎はコンクリート造りで、JR四国直営駅です。かつては汲み取り式便所でしたが、駅舎横に「ハピレット」という愛称の水洗トイレが設置されています。また、駅構内には夜間滞泊が設定されている列車もあります。

利用状況と周辺環境：

須崎駅周辺には市街地が広がっていますが、須崎市役所へのアクセスは、隣の駅である大間駅の方が近いです。バス路線としては、高知高陵交通、須崎市営バス、ジェイアール四国バス、西日本ジェイアールバスなどが乗り入れています。高速バスとして、高知エクスプレス号、京阪神ドリーム高知号も運行されています。

駅周辺には、土讃線発祥の地を記念してD51の動輪が保存されています。これは、駅の長い歴史と地域との深い繋がりを示す象徴的な存在と言えるでしょう。

隣の駅：

上り：大間駅
下り：土佐新荘駅

須崎駅は、歴史と近代的な設備が調和した、土讃線沿線における重要な拠点駅です。これからも、地域住民の生活を支え、多くの旅人を迎え入れる駅として、その役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索