あづみ野周遊バス

あづみ野エンジョイバス：安曇野の観光を巡る路線バス

あづみ野エンジョイバスは、長野県安曇野市とその周辺地域を巡回する季節運行の路線バスです。JR大糸線穂高駅を中心に、点在する観光地を効率的に結ぶ重要な交通手段として機能しています。かつては「安曇野穂高周遊バス」という名称でアルピコグループが運行していましたが、2024年シーズンから現在の名称となり、南安タクシー、安曇観光タクシー、明科第一交通の3社が共同で運行しています。

歴史と変遷

このバスのルーツは、1999年に運行開始した「安曇野めぐり定期観光バス」に遡ります。当初はアルピコ観光バスが運行していましたが、採算性の問題から2009年に撤退。その後、安曇野市観光協会会員のタクシー会社3社が「安曇野市タクシー運営協議会」を設立し、運行を引き継ぎました。

その後も、運行期間や路線、運賃体系の見直し、他路線との接続強化など、利用者の利便性向上に向けた改善が継続的に行われています。2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、運行開始時期の延期や最終運行日の繰り上げなどの対応を余儀なくされました。アートヒルズ閉館に伴うバス停の廃止と再設置なども経験しています。

2024年シーズンからは、路線の大幅な見直しが行われました。路線名や停留所、運行区間などが変更され、一部区間ではフリー乗降制が導入されました。これにより、利用者はより柔軟にバスを利用できるようになりました。

現行路線

現在、あづみ野エンジョイバスは大きく分けて2つの路線を運行しています。土日祝日を中心に運行されますが、8月には毎日運行されています。

大王わさび農場線（ブルーライン）：穂高駅を起点に大王わさび農場を経由し、一部便は明科駅まで運行します。穂高駅～大王わさび農場間はフリー乗降区間です。
北アルプス山麓線（レッドライン）：穂高駅発着の環状線で、国営アルプスあづみの公園、Vif穂高、安曇野ちひろ美術館などを巡回します。ちひろ美術館～Vif穂高間はフリー乗降区間です。

運賃体系

運賃は大人、小人、幼児、障がい者の4区分で設定されています。大人運賃を基準に、小人・障がい者は半額、幼児は無料です。1回乗車券に加え、1日乗車券や、信濃大町ぐるりん号との共通乗車券も用意されています。

車両とデザイン

運行に使用される車両は、3社のタクシー会社が保有するマイクロバスです。バスには、地域の象徴である道祖神をモチーフにしたステッカーが貼られ、周遊バスであることを示しています。

運行実績

運行開始当初は赤字でしたが、年々利用者数は増加し、近年は年間1万人を超える利用者数を記録しています。これは、安曇野市の観光振興に大きく貢献していると言えるでしょう。

まとめ

あづみ野エンジョイバスは、安曇野市の観光を支える重要な交通手段であり、地域活性化にも貢献しています。今後も、利用者のニーズに応じた路線の見直しやサービス向上など、さらなる発展が期待されます。

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