明科駅

明科駅：安曇野の地に歴史を刻む駅

長野県安曇野市明科中川手に位置する明科駅は、JR東日本篠ノ井線沿線に存在する重要な駅です。特急列車「しなの」の一部と快速列車が停車するほか、当駅始発の列車も運行されており、地域住民の足として、重要な役割を担っています。

歴史を彩る停車駅

明科駅の歴史は古く、1902年（明治35年）6月15日、篠ノ井線西条～松本間の開通と同時に開設されました。当初は旅客と貨物の両方を扱う駅として賑わいを見せていました。

昭和天皇ゆかりの駅としても知られており、1947年（昭和22年）には戦後巡幸のお召し列車が、1964年（昭和39年）には第15回全国植樹祭に合わせてお召し列車が発着しました。これらの歴史的事実は、明科駅が地域にとって特別な存在であったことを物語っています。

その後、1982年（昭和57年）に貨物取扱が、1984年（昭和59年）には荷物扱いが廃止されました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となり、1988年（昭和63年）には西条～明科駅間のルート変更が行われました。

近年では、2016年（平成28年）4月にみどりの窓口の営業を終了し、業務委託駅となりました。同年6月には、西条～冠着間各駅の管理業務が松本駅に移管されました。そして2022年度末には駅舎のリニューアル工事が完了し、新しい駅舎が供用開始されました。今後、2025年春以降にはICカード「Suica」の利用開始も予定されており、利用者の利便性向上に向けた取り組みが進められています。

駅の構造と周辺環境

明科駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線の地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、留置線も備えています。松本方面は田沢駅まで複線ですが、長野方面は第一白坂トンネルが複線化可能な構造ながら、現在も単線で併用されています。

駅業務はステーションビルMIDORIが受託しており、指定席券売機も設置されています。

興味深いことに、駅周辺は3000羽以上のカラスのねぐらとなっていることで知られ、2008年2月には鳥害対策として下りホーム北側に罠が試験的に設置されたこともあります。

また、松本～篠ノ井間の中間駅としては唯一、発車メロディーが設定されているのも特徴の一つです。

利用状況とアクセス

JR東日本によると、2023年度の1日平均乗車人員は806人です。2000年度以降、利用状況は推移しており、地域社会の変遷を反映していると言えるでしょう。

駅舎は西側にのみ存在し、東側への連絡は駅近くの歩道橋を利用する必要があります。かつて駅北側にあった踏切は、立体交差橋の完成に伴い廃止されました。

バス路線も充実しており、「明科駅前」停留所から安曇野市バス、あづみ野エンジョイバス、松本市営バス、生坂村営バス、池田町営バスなど、複数の路線が利用可能です。

隣の駅

明科駅の隣の駅は、篠ノ井線において、下り方面が田沢駅、上り方面が西条駅です。特急「しなの」の一部列車と快速列車が停車しますが、一部の快速列車は西条駅および坂北駅を通過します。普通列車は田沢駅と西条駅に停車します。かつては明科駅と西条駅間に潮沢信号場が存在していましたが、1988年（昭和63年）に廃止されています。

明科駅は、歴史と自然、そして現代的な利便性を兼ね備えた、安曇野を代表する駅の1つと言えるでしょう。

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