ありあけ型護衛艦

ありあけ型護衛艦について

ありあけ型護衛艦（英名: Ariake-class destroyer）は、海上自衛隊初期の護衛艦のひとつで、もともとはアメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦でした。この艦型は1959年に日本に貸与され、その後正式に自衛艦として運用が始まりました。

歴史的背景

ありあけ型の前身となる艦は、1944年にアメリカ海軍によって就役したもので、具体的には「ヘイウッド・L・エドワーズ」と「リチャード・P・リアリー」という2隻です。これらの艦は第二次世界大戦中に、戦闘を経験し、特に「リチャード・P・リアリー」はフィリピンでの日本の特攻機による攻撃を受けて損傷しました。

戦後、これらの艦は長期間のモスボール状態になっていましたが、1959年に日米艦艇貸与協定に従って、米国のロング・ビーチから日本に引き渡されました。両艦は横須賀港に到着後、自衛艦旗授与式を経て正式に海上自衛隊の一員となりました。

改装と訓練

艦の改修は重要な課題でした。「ありあけ」と「ゆうぐれ」は、訓練を目的とした機能強化のため、各種の改装工事を施されました。特に、両艦は五インチ砲や機銃、魚雷発射管などを撤去し、新たに訓練用のスペースを設けました。加えて、「ありあけ」はソナーをQJAから最新型のQJAに換装されました。これはより効率的な訓練のための手段として重視されました。

自衛隊内での役割

1959年には、第1護衛隊が新設され、両艦は横須賀地方隊に編成されることになります。その後、1961年に再編された第2護衛隊群に属し、1962年にはさらなる改装工事が行われました。この改装では、レーダーや指揮装置が最新型に更新され、艦の機能が大幅に向上しました。

各艦の活動

再就役以降、「ありあけ」と「ゆうぐれ」は練習艦隊の一員として、特に技術訓練や各種実験に従事しました。「ありあけ」は1970年から防衛庁技術研究本部で開発中の低周波遠距離用の試作バウ・ソナーT-101のテスト艦となり、艦首の延長工事によって優れた性能を発揮しました。

一方の「ゆうぐれ」は、第2掃海隊群や第1潜水隊群の旗艦としても機能し、多様な支援任務を果たしました。しかし、時が経つにつれて老朽化が進み、両艦は1974年に除籍され、その後アメリカ海軍に返還されました。1976年には売却され、解体されています。

まとめ

ありあけ型護衛艦は、海上自衛隊の成り立ちや海軍技術の進化を体現する重要な艦でした。歴史的背景やその後の改装、活動は、日本の海自の発展に大きな影響を与えてきました。各艦が担った役割は、その後の海上防衛能力の向上に貢献したといえるでしょう。

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