いしかり (フェリー・2代)

「いしかり」についての詳細

概要

「いしかり」は、太平洋フェリーが1991年に就航した2代目のフェリーです。この船は、1974年に就航した初代「いしかり」の後継として、三菱重工業神戸造船所で建造されました。船の設計は初代に準じているものの、船内は改良されており、特に公室スペースは広く設計されています。この船は海事プレス社が発行する専門誌『クルーズ』において、1992年から2004年までの間に「クルーズシップ・オブ・ザ・イヤー」のフェリー部門賞を連続受賞しました。

約20年間の航海を経て、いしかりは2011年3月8日に名古屋発仙台行きの便を最後に引退しました。その総航海距離は約468万5560kmに達しました。引退後、この船は中国に売却されてパナマ船籍の「GRAND SPRING」として、威海港と韓国の仁川港を結ぶ国際航路で運航を開始しました。2016年には韓国の光陽ラインに売却され、その後は韓国の光陽港と下関港を結ぶ航路に就航する計画がありましたが、最終的にこの計画は中止され、キプロスのAlphaglobe Shipping Ltd.に売却され「ASTERION II」という名称に変更されました。現状では、ギリシャとイタリアをつなぐパトラ - イグメニツァ - ベニス航路で運航しています。

船内の特徴

「いしかり」の艤装は大丸や高島屋、長崎船舶装備が手がけており、内装は日建設計の女性デザイナーによって「カリブの風-魅力ある明るい船の旅-」というテーマで設計されています。テーマカラーはネイビーブルーやベージュ、赤、淡いピンクと多様で、斬新なインテリアデザインが施されています。特に1993年にはカプセルホテル型の「A寝台」が導入され、多様な客室のニーズに対応しています。

デッキ構成

• - Aデッキ（5階）: ここにはスイートルームがあり、白と黒の2タイプがそろっていました。イベントホール「スターライトラウンジ」は150席の二層吹抜けとなっており、オープンスカイホールと星のデッキも魅力の一つです。

• - Bデッキ（4階）: 海の世界をイメージした青を基調色としたこのレベルには、特等室が24室あり、和室も2室用意されています。宴会場やレストラン「カリブ」など、公共スペースも充実しています。

• - Cデッキ（3階）: ここは明るい赤を基調とし、1等室や2等寝台室、ドライバー室、ゲームコーナーやミニシアターも設置されています。エントランスホールは、多くの乗客を迎える華やかな演出が施されています。

結論

「いしかり」はその丈夫な造りと魅力的な内装で、多くの乗客に愛されてきました。海を感じながら快適な船旅を楽しむことができる、特別な船であったことは間違いありません。このような歴史を持つフェリーが、今では新たな役割に生まれ変わっていることも、また船舶の奥深い特徴の一部と言えるでしょう。

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