いたずら天使チッポちゃん

いたずら天使チッポちゃん

『いたずら天使チッポちゃん』は、1970年3月30日から同年12月31日にかけて、フジテレビ系列局で放送された日本の短編テレビアニメーションです。製作はフジテレビ・エンタプライズが担当しました。

あらすじ

本作の物語は、何らかの理由で天界へと戻ることができなくなってしまった幼い天使の女の子、チッポちゃんが主人公です。人間界で生活することになったチッポちゃんが、その天使ゆえの不思議な力や純粋さによって、周囲の人々や町中で次々と騒動や愉快な出来事を巻き起こしていく様子が描かれます。日常の中に非日常の存在が入り込むことで生まれるドタバタコメディとして展開されました。

放送形式と特徴

『いたずら天使チッポちゃん』は、1話あたり約5分という短い尺で放送されました。放送時間は毎週月曜日から土曜日までの夕方、具体的には18時50分から18時55分までの帯番組として編成されていました。このように毎日放送される形式で、全240話という多数のエピソードが製作されています。当時の子供向けテレビ番組において、この種のミニアニメーションは比較的ポピュラーな形式でした。

製作会社と歴史的意義

本作を製作したフジテレビ・エンタプライズにとって、『いたずら天使チッポちゃん』はセルアニメーション製作の歴史において重要な位置を占める作品となりました。この作品の最終回をもって、同社はセル画を用いたアニメーション製作から撤退することを決定したからです。これ以降、フジテレビ・エンタプライズは、静止画を主体とした子供向けの教育・バラエティ番組である『みんなよっといで』や、動物の生態に焦点を当てたユニークな番組『チンパン大いに笑う』といった、異なるタイプの番組製作へとその事業の軸足を移していくことになります。『いたずら天使チッポちゃん』は、同社のセルアニメ時代の掉尾を飾る作品と言えるでしょう。

声の出演

主要なキャラクターであるチッポちゃんの声は、声優の一谷伸江が担当しました。その他にも、大山のぶ代や加藤みどりといった、後に日本の声優界で活躍する著名な声優陣が出演しています。

スタッフ

番組製作には、以下のスタッフが携わりました。

企画・製作：フジテレビ・エンタプライズ
制作：児玉征太郎、平尾ゆりか
脚本：石黒昇、久保田圭司、安藤豊弘、三宅直子
演出：青木喬、池野文雄
作画：新世界映画社、若林忠雄、久保田彰三
音楽：玉木宏樹
* 音響：江間敏郎、飛行船スタジオ

これらのスタッフにより、日常に紛れ込んだ天使の起こす騒動がコミカルに描かれました。

その後

『いたずら天使チッポちゃん』の放送終了後、同じく月曜日から土曜日までの帯番組として、直後の時間帯（18時55分から19時00分）には後番組としてミニアニメ『カバトット』が放送を開始しました。

本作に関する情報は、テレビドラマデータベースや朝日新聞縮刷版などに記録が残されています。また、メディア芸術データベースやallcinemaといったオンラインデータベースでも情報を確認することができます。

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