いよじ号

いよじ号ととさじ号の運行概要

いよじ号（いよじごう）ととさじ号（とさじごう）は、かつて香川県高松市と愛媛県松山市、および高知県高知市を結んでいた夜行バスです。両路線とも、特に91年から94年にかけて多くの利用者に親しまれました。本稿では、この2つの路線の運行の経緯や詳細な情報について説明します。

運行の経緯

1989年3月、JR四国は時間帯を調整し、夜行列車の運行体制を改めました。従来の夜行列車は下り列車のみを運行していましたが、利用者の減少を受けて、新たに毎日運行する臨時列車に移行しました。しかし、平均乗客数が30名程度だったため、代替として「いよじ号」と「とさじ号」が同年の7月1日に運行を開始しました。

これらバス路線は、従来の夜行列車が停車していた主要な駅やそれに近い駅に停車し、休憩を挟みつつ、全程を一般道で走行しました。また、夜行バスとしては珍しく、完全にワンマン運行が行われました。

運行内容

いよじ号

運行開始から1994年までの間、いよじ号は香川県高松駅から松山市までを繋ぎました。運行時間は約6時間で、途中にはいくつかの停留所で休憩がありました。

• - 運行ルート: 高松駅 - 坂出駅 - 観音寺駅 - 川之江駅 - 伊予三島駅 - 新居浜駅 - 伊予西条駅 - 壬生川駅 - 今治駅 - 伊予北条 - 松山駅

• - 運行ダイヤ: 夜行の往復運行で、下りは高松駅を23:30に出発、松山駅には5:30に到着します。

とさじ号

一方で、同じく利用者を対象としたとさじ号は高松市と高知市を結び、1992年まで運行されていました。こちらのバスも夜行運行で、一般道を経由しました。

• - 運行ルート: 高松駅 - 坂出駅 - 琴平駅 - 阿波池田駅 - 阿波川口 - 大歩危 - 豊永 - 大杉駅 - 後免駅前 - 土佐山田駅 - 高知駅

• - 運行ダイヤ: 下り便は高松駅を23:30に発ち、5:30に高知駅に到着します。

特徴

• - 座席・予約制度: いずれも座席指定制で、予約が必須でした。指定券と乗車券はあらかじめ購入する必要がありました。これにより、快適な旅行が提供され、多くの顧客に支持されました。

• - 使用車両: いずれのバスも、特別な観光バスタイプの車両が使用されました。一般道ですので、車両の特性が生かされていました。

• - 沿革: 「いよじ号」は1994年11月に、「とさじ号」は1992年に運行が終了しました。運行の終了は、新たに高速バス「坊っちゃんエクスプレス」や「黒潮エクスプレス」が開始されたことによるものです。

利用状況

いずれの夜行バスも一日一往復のみの運行であったため、利用者は便利さと快適さを求めていました。特に、深夜の移動ニーズに対する応えとして重要な役割を果たしました。

最終的には、高速バスの進展がこれらの夜行バスに影響を与え、結果的に運行が終了しましたが、利用者には長年にわたって愛された交通手段でした。

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