琴平駅

琴平駅：金刀比羅宮への玄関口、歴史と現代が調和する駅

香川県仲多度郡琴平町榎井にある琴平駅は、四国旅客鉄道（JR四国）土讃線沿線に位置する駅です。駅番号はD15で、駅名標には「こんぴらさんの駅」と記され、その名の通り、金刀比羅宮へのアクセス拠点として多くの人々で賑わっています。

歴史を刻む駅舎

琴平駅の起源は古く、1889年（明治22年）に讃岐鉄道の駅として開業しました。その後、山陽鉄道を経て国有化され、国鉄の駅となります。1922年（大正11年）には阿波池田方面への路線延伸に伴い、現在地に移転しました。この移転により、所在地は榎井村となり、その後、1955年（昭和30年）に琴平町と榎井村の合併により、再び琴平町内となりました。

1936年（昭和11年）に完成した現在の駅舎は、幾多の時代変遷を乗り越え、2009年には経済産業省の「近代化産業遺産」に認定されています。2012年には国の登録有形文化財にも登録され、その歴史的価値の高さが認められました。2016年には耐震改修工事が完了し、2017年には改修工事が終了、1922年当時の駅舎外観を復元するとともに、観光列車「四国まんなか千年ものがたり」専用の待合室も設置されました。歴史と現代が融合した、独特の雰囲気を持つ駅舎となっています。

また、1989年には四国鉄道百周年を記念して駅舎内に鉄道資料館が開設されましたが、その後閉鎖されました。展示物の一部は四国鉄道文化館に移管されています。

駅の構造と機能

琴平駅は2面4線の地上駅で、木造の駅舎が特徴です。基本的には単式ホーム1面と島式ホーム1面ですが、駅入換要員の配置状況の変化に伴い、ホームの配置が調整されています。

みどりの券売機プラスが設置されており、窓口営業は終了しています。早朝や夜間は無人となりますが、イベント開催時には終電まで有人となる場合もあります。駅舎内にはコンビニエンスストア（早朝・夜間を除く）があり、利便性も高くなっています。ただし、トイレは駅構内にはなく、駅舎南側に公衆トイレが設置されています。

当駅はJR四国のICOCAエリアの南端であり、これより南では交通系ICカードは利用できません。また、土讃線の電化区間の終点でもあります。架線は香川県道206号原田琴平線と交差する踏切の先で途切れています。

特急を含む全定期列車が停車し、土讃線の近距離輸送列車は当駅を境に運行形態が変化します。

アクセスと周辺環境

琴平駅周辺には、金刀比羅宮をはじめ、旧金毘羅大芝居（金丸座）、琴平町立歴史民俗資料館などの観光施設が点在しています。また、高松琴平電気鉄道琴平線琴電琴平駅、琴平急行電鉄琴急琴平駅（旧駅跡地）、ことひら温泉琴参閣なども近隣にあり、観光客にとって非常に便利な立地です。

その他、香川県立琴平高等学校、琴平町役場、琴平町立琴平小学校、金融機関など、生活関連施設も充実しています。

バス路線としては琴参バス（美合線の2往復以外は全便土休日運休）と三豊市コミュニティバス（全便休日運休）が利用可能です。

隣の駅

琴平駅に隣接する駅は、上り方面が善通寺駅、下り方面が塩入駅です。特急列車「南風」「しまんと」「四国まんなか千年ものがたり」や寝台特急「サンライズ瀬戸」（臨時）も停車します。

琴平駅は、歴史と現代が融合した、魅力あふれる駅と言えるでしょう。金刀比羅宮への観光拠点として、そして地域の重要な交通拠点として、今後もその役割を担っていくことでしょう。

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