伊予西条駅

伊予西条駅について

伊予西条駅は、愛媛県西条市大町に位置する、四国旅客鉄道（JR四国）予讃線の駅です。駅番号はY31で、西条市の代表駅として、また、鉄道運行上の重要な拠点として機能しています。

概要

この駅は、普通列車の多くが当駅で系統分割されるほか、当駅を始終着とする特急列車が設定されており、さらに高松運転所所属の車両も当駅以東のみで運用されています。夜間には、早朝や深夜に発着する列車が駅構内に留置され、乗務員宿泊施設には担当乗務員が宿泊します。

かつては、「ミッドナイトEXP高松」という当駅止まりの特急があり、2020年3月までは四国内で最も遅い時間に到着する特急でした。駅構内には電留線や乗務員宿泊施設がありますが、みどりの窓口や待合所などの旅客施設は、駅の規模と比較するとややコンパクトな印象です。

長年、改札には行灯式の列車種別表示器のみが設置されていましたが、2017年のバリアフリー化工事により、新たに跨線橋が設けられ、フルカラーLED式の発車標が改札上と各ホームに設置されました。

列車接近メロディは、以前は「瀬戸の花嫁」でしたが、2015年3月からは西条市出身のテノール歌手、秋川雅史さんの「千の風になって」に変更されています。

歴史

伊予西条駅は、1921年（大正10年）6月21日に鉄道省予讃線の伊予土居駅 - 当駅間開業に伴い開設されました。その後、様々な歴史を経て現在に至ります。

1921年（大正10年）6月21日：鉄道省予讃線伊予土居駅 - 当駅間開業に伴い開設。
1950年（昭和25年）3月18日：昭和天皇の戦後巡幸があり、お召し列車が当駅発 - 今治駅着で運行。
1968年（昭和43年）12月20日：駅舎改築。
1977年（昭和52年）4月1日：みどりの窓口開設。
1982年（昭和57年）11月15日：貨物取扱廃止。
1986年（昭和61年）11月1日：新聞紙除く荷物扱い廃止。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、四国旅客鉄道の駅となる。
2015年（平成27年）3月21日：列車到着メロディに「千の風になって」の使用を開始。
2017年（平成29年）9月：バリアフリー化工事が完成。
2022年（令和4年）12月28日：「伊予西条駅ワーププラザ」の営業を終了。

駅構造

駅は、単式・島式混合の2面3線ホームを持つ地上駅です。ホーム間はエレベーター付きの跨線橋で結ばれています。駅前広場には「うちぬき」と呼ばれる湧き水があり、かつてはホームにも設置されていましたが、バリアフリー工事の際に撤去されました。

1番乗り場は上り方面への出発信号のみがあり、下り列車は入線しません。

のりば

1番のりば：上り（伊予三島・観音寺方面）
2番のりば：下り（新居浜・松山方面）
3番のりば：上り（当駅始発列車）

駅施設

みどりの窓口
待合所
セブンイレブンKiosk伊予西条店
うちぬき（駅前の噴水）

利用状況

2020年度の1日平均乗車人員は1,252人です。近年は1,200人前後で推移しています。

駅周辺

駅周辺は、西条市や海岸沿いの工業地帯、石鎚山への玄関口としての役割を担っています。西条市の中心部は北に約1km離れており、駅前はやや閑散とした雰囲気です。

駅前広場は、2004年から2008年にかけて再整備され、鉄道歴史パーク in SAIJOなどと一体的な空間として生まれ変わりました。この整備には、住民や商工業団体、JR四国、日本ナショナルトラストなどが参加しました。

鉄道歴史パーク in SAIJO

駅周辺には、鉄道に関する施設がまとまった鉄道歴史パークがあります。

四国鉄道文化館：JR四国が保管していた車両などを展示する、日本ナショナルトラストのヘリテイジセンター。
十河信二記念館：愛媛県出身で第4代国鉄総裁である十河信二の遺品などを展示。
観光交流センター：観光情報の発信拠点。
ぽっぽ橋：十河信二記念館と駅舎を結ぶ人道橋。エレベーター付きで、線路で分断されていた駅南方面へのアクセスを改善。

その他、西条陣屋跡（現在の愛媛県立西条高等学校）、西条市総合文化会館、西条市役所、フジグラン西条などの施設があります。

駅前広場

駅前広場にはバス乗り場とタクシー乗り場があります。バスは主にせとうちバスが運行し、特に石鎚ロープウェイ線は当駅を起終点としています。また、特急バス「新居浜 - 松山線」や高速バス「いしづちライナー」も乗り入れています。

隣の駅

四国旅客鉄道（JR四国）
予讃線：中萩駅 (Y30) - 伊予西条駅 (Y31) - 石鎚山駅 (Y32)


伊予西条駅は、地域の交通と観光の重要な拠点として、これからも多くの人々に利用されるでしょう。

もう一度検索