おかえり (映画)

映画『おかえり』解説

『おかえり』は、1996年に公開された篠崎誠監督の長編デビュー作です。自主映画出身で、「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」の映画ライターとしても活動していた篠崎監督が、満を持して世に送り出した作品として注目を集めました。

撮影は、『関の弥太っぺ』や『沓掛時次郎 遊侠一匹』など往年の東映時代劇を手がけてきた古谷伸が担当。録音は、若松孝二監督作品や小川紳介監督作品に関わっていた栗林豊彦が担当しています。

主演は、北野武監督作品の常連である寺島進。これまでチンピラやヤクザといったコワモテな役柄が多かった寺島が、本作では心の病を抱えた妻に翻弄されながらも、献身的に支えようとする平凡な夫を演じ、新境地を開拓しました。妻役は上村美穂が演じています。

あらすじ

塾講師の北沢孝（寺島進）は、妻・百合子（上村美穂）と何不自由ない生活を送っていると信じていました。しかし、百合子は孝が約束を破るたびに不満を募らせ、心は徐々に崩壊。奇行を繰り返すようになります。戸惑う孝でしたが、百合子はついに他人の車を乗り回し、警察沙汰を起こしてしまうのでした。

受賞歴

『おかえり』は、国内外の映画祭で数々の賞を受賞しています。

第36回テサロニキ国際映画祭 最優秀監督賞、国際批評家連盟賞
ベルリン国際映画祭 最優秀新人監督賞
第20回モントリオール国際映画祭 国際批評家連盟賞、モントリオール賞
ダンケルク国際映画祭 グランプリ、最優秀女優賞、プレス審査員賞、若手審査員賞、観客賞
第17回ナント三大陸映画祭 最優秀女優賞
第5回東京スポーツ映画大賞 監督賞、新人賞

キャスト

北沢孝：寺島進
北沢百合子：上村美穂
佐久間：小松正一
刑事：諏訪太朗
精神科医：高橋紳吾
公園の少女：堀江あやか
公園の老人：青木富夫
公園の家族：小沢仁志、小沢ジーナ、小沢珠里麻

スタッフ

監督：篠崎誠
製作：筒井武文、松田広子
脚本：篠崎誠、山村玲
撮影：古谷伸、鈴木一博
音楽：ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
編集：筒井武文
録音：栗林豊彦
助監督：杉山太郎、遠藤万吏子
照明：鈴木一博
制作：コムテッグ
* 配給：ビターズ・エンド

惹句

平穏な生活が揺らぐ時、彼女は彼の知らない扉を開く。

外部リンク

おかえり - allcinema

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