青木富夫

青木 富夫 (あおき とみお)

青木富夫は、1923年10月7日に横浜市で生まれた日本の俳優で、2004年1月24日に82歳で亡くなりました。彼は松竹蒲田撮影所において名子役として活躍し、多くの監督の作品に出演したことで知られています。

経歴のはじまり

青木は、実家が経営する酒場に松竹蒲田撮影所の俳優が頻繁に出入りしていたため、撮影所に遊びに行くことが多かったです。1929年、彼は小津安二郎監督に見出され、同監督の『会社員生活』に出演しました。特に同年に主演した映画『突貫小僧』が大ヒットし、彼は松竹蒲田の子役スターとして一躍有名になりました。また、同年12月には斎藤寅次郎監督の『全部精神異常あり』にも出演、演技力が評価されました。

1931年には、彼は芸名を「突貫小僧」に改名し、自身のアイデンティティの構築を進めました。それ以降も、小津監督作品に12本出演し、成瀬巳喜男や斎藤寅次郎、清水宏、五所平之助監督などの作品にも立て続けに出演しました。彼は当時の松竹蒲田の名子役の一員として、多くの傑作に貢献しました。

学業と戦争

学業は鎌倉中学校を中退し、子役活動に専念しました。興味深いことに、同時期に彼の異父弟も「青木放屁」という名義で子役として活動していました。1942年には召集され、太平洋戦争中のペリリュー島の前線に派遣されました。その後、1946年に復員し、松竹に復帰しましたが、大部屋俳優としての端役が続きました。

その後、1954年には日活に移籍し、端役ながら多くのアクションや青春映画に出演し続けました。榎木兵衛や河上信夫らと共に日活の名脇役として名を馳せましたが、1971年に日活がロマンポルノ路線に変わると出演作は減少していきました。1972年にはフリーとなり、山本薩夫監督の『華麗なる一族』など多くの作品に出演しました。

晩年と受賞歴

晩年には鈴木清順監督の『ピストルオペラ』や篠崎誠監督の『忘れられぬ人々』に出演し、後者では2000年にフランスのナント三大陸映画祭で共演者と共に主演男優賞を受賞しました。2004年には肺がんのために亡くなり、遺作は『犬と歩けば チロリとタムラ』でした。

人物・エピソード

青木には回想録『子役になってはみたけれど 小説突貫小僧一代記』があり、彼の俳優人生を振り返る貴重な記録となっています。また、映画監督の周防正行は自身の作品に青木をオマージュしたキャラクターを登場させています。彼は300本以上の映画に出演しており、日本の映画界に多大な影響を与えました。

これらの功績により、青木富夫は日本の映画界において欠かすことのできない存在として記憶されています。

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