おやじ太鼓

テレビドラマ『おやじ太鼓』の概要

『おやじ太鼓』は、1968年から1969年にかけてTBS系列の「木下恵介アワー」で放送された日本のテレビドラマです。本作は、1949年に公開された映画『破れ太鼓』を元にしており、木下恵介監督が手掛けた作品で、主演には阪東妻三郎が名を連ねています。木下恵介アワーの中で第3弾と第5弾にあたるこのドラマは、計65話から成り立っています。

放送の概要

放送は、第一部が1968年の1月16日から10月8日まで、続いて第二部が1969年の4月22日から10月14日まで行われました。放送時間帯は毎週火曜日の21:00から21:30で、第一部は39回、第二部は26回のエピソードが放送されました。当初はモノクロで制作され、1968年4月以降はカラーフィルムに移行しました。

鶴家の物語

物語は、鶴亀次郎が家長を務める9人の大家族、鶴家を中心に展開します。亀次郎は自らの建築会社を一代で繁盛させた経営者でありながら、非常にワンマンで母親的存在の妻愛子と共に7人の子供を育てています。子供たちは父からの厳しい叱責を恐れつつも、時にはその威厳を利用して日常を送っています。子供たちの成長や葛藤、家族間の絆が、物語の核を成しています。

家族のキャラクター

• - 鶴亀次郎（演：進藤英太郎）：大家族を支える建築会社の社長で、怒鳴り声が家の象徴ともなっている。
• - 鶴愛子（演：風見章子）：亀次郎の妻。典型的な良妻賢母であり、家計を支え、7人の子供たちを育てている。
• - 鶴武男（演：園井啓介）：長男であり会社員。初めは恋人がいたが、後に新しい伴侶を迎える。
• - 鶴洋二（演：西川宏）：次男。絵本作家を志望している夢見る青年。
• - 鶴秋子（演：香山美子）：長女で、会社員として働いている。
• - 鶴三郎（演：津坂匡章）：三男、大学生で学生生活を送る。
• - 鶴幸子（演：高梨木聖）：次女の女子大生。
• - 鶴かおる（演：沢田雅美）：家族の末っ子で、学生生活を謳歌。

また、亀次郎の身の回りには家政婦のお敏（演：菅井きん）や彼女の母イネ（演：岸輝子）、さらには家族の友人や恋人たちも登場し、物語は様々な人間関係を背景に描かれます。

音楽とスタッフ

音楽は木下忠司が担当し、本作の雰囲気を一層引き立てる役割を果たしました。主題歌「おやじ太鼓」はあおい輝彦が歌い、このドラマの象徴的な存在となりました。

その後の影響

本作は1972年に放送された続編『おやじ山脈』にも影響を与え、多くのファンに愛される家族ドラマとしての地位を築きました。続編では、末っ子のかおるを中心に、新たな恋愛模様や家族の物語が描かれます。このように『おやじ太鼓』は、当時の日本における家族の愛情や絆、そして生活のリアリズムを描写した重要な作品として評価されています。

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