おらんだ左近秘剣帳

『おらんだ左近秘剣帳』は、1991年7月7日から9月29日までテレビ東京系で放送された連続テレビ時代劇です。全13話。

概要

物語の主人公であるおらんだ左近の正体は、尾張大納言・徳川斉朝の実子、斉正。彼は跡目争いに敗れたことで、その身分を捨て、蘭学を修めます。そして江戸下町の蓮華寺というボロ寺に診療所を開き、一介の町医者として生活を送っています。しかし、彼はもう一つの顔を持っていました。それは、悪に立ち向かい、正義の剣を振るうヒーローとしての顔です。

本作は、小野寺昭が主演を務め、東映が制作を担当したテレビ時代劇です。フジテレビでかつて放映されていた『おらんだ左近事件帖』と同じく、柴田錬三郎の原作を元に制作されています。

1990年10月7日開始の『月影兵庫あばれ旅』（第2シリーズ）以来、1年続いたテレビ東京日曜21時枠の時代劇シリーズは、本作が最後となりました。

クライマックスのパターン

物語のクライマックスでは、お決まりのパターンがありました。とある旗本や大名の屋敷、あるいは商人の寮などで、悪人たちが密談をしています。すると、どこからともなく「そうはいかねえ!」という叫び声が聞こえ、誰かが庭先に出てみると、「大江戸の、まったき闇の片隅で、確かに聞こえる鬼の声」という声が響きます。その後、「それ、一匹邪」という声と共に、悪人が一人ずつ成敗される様子が映し出されます（この時、画面には白字の字幕スーパーで「一匹邪」と表示されます）。そして、最後の一人になると「そぉれ、二匹邪（三匹邪）～!」という声が上がります。その後、悪人の呼び掛けに応じ、左近が登場。悪人たちは左近に対し、「貴様、何者だ! その面を取れ!」と詰め寄ります。すると左近は、「人を斬ろうと言うからには、名乗らぬ訳にはいくめえ」と言い、被っていた天狗の面を外します。「人呼んでおらんだ左近、尾張大納言が一子、徳川斉正！」と、自らの身分を明かす左近。すると、悪人の一人が左近の着物の紋所（丸に仁）を見て、「その方、葵の紋所ではないのか。徳川斉正だと言う証拠でもあるのか」と問い詰めます。それに対し、左近は「そんなものはねえ!」と開き直ります。そして悪人は、「上様（若しくは将軍家）の縁者を騙る不埒者め！」と叫び、自らの家臣や悪徳商人に用心棒として雇われた浪人たちを呼び集め、一斉に斬りかかろうとします。それに対し、左近は「そう来なくちゃいけねぇ!」と、手に持っていた天狗の面を捨て、「てめえたちに恐れ入られたんじゃ、たたっ斬る訳にはいかねえからよ!」と刀を抜き、悪人たちを斬り始めます。「人の楽しみ奪う貴様ら、生かしちゃおけねぇ!」という決め台詞と共に、左近は悪人たちを次々と斬り倒し、全てを斬り終えると、刀を鞘に収め、その場を去っていくのでした。

キャスト

おらんだ左近／徳川斉正：小野寺昭
おもん（小料理屋の女将）：岡田奈々
素走りの佐平次：羽賀研二
お蘭（大和守の密偵）：大沢逸美
春風ひとみ
立枝歩
春太（左近の助手）：西尾塁
風の次郎太（大和守の密偵)：清水健太郎
お鶴（小料理屋の娘）：加賀千景
おてる：久仁亮子
北畠大和守：寺田農
忘念（蓮華寺住職）：小林亜星
若林豪

スタッフ

原作：柴田錬三郎
脚本：放映リスト参照
監督：放映リスト参照
音楽：小林亜星
殺陣：上野隆三（東映剣会）
協力：京都 大覚寺
制作：東映、テレビ東京

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