おトラさんのお化け騒動

おトラさんのお化け騒動

『おトラさんのお化け騒動』は、1958年8月5日に東宝系列で公開された日本映画です。この作品は、モノクロで59分の長さを持つシネスコ作品で、東京映画によって製作されました。これは「おトラさん」シリーズの第4作であり、脚本を新井一が単独で担当し、音楽は神津善行が手がけています。この体制は、次作の『おトラさん大繁盛』まで続きます。

概要

本作では夏を舞台にした「お化け」というテーマが採用されていますが、ホラー要素はほとんど感じられません。その代わりに、第1作で印象深かった「おトラさんは蛙を見ると倒れる」というユニークな設定が久しぶりに登場し、観客に笑いを提供しています。また、目の不自由な父を持つ女性を支援するために、おトラが踊りの師匠になる場面が描かれ、人情物としての要素も色濃く反映されています。

さらに、京都出身の女中・おはながレギュラーキャラとして加わり、助演には当時活躍していた「脱線トリオ」と呼ばれる由利徹、南利明、八波むと志が出演します。この脱線トリオは、本作以降『おトラさん大繁盛』まで出演が続きます。ただし、八波むと志は最後の作品には登場しません。

ストーリー

物語は、夏休みの朝に日野江家がラジオ体操に行くシーンから始まります。家には仕事疲れの牛三が留守番をしており、日野江家は新しい京都出身の女中・おはなを紹介されます。しかし、帰宅すると牛三は不機嫌であり、隠していたへそくりをタツオに盗まれたことが理由でした。タツオは牛三を脅迫し、牛三は手も足も出ません。おはなは新しい環境を楽しみながらも、地元の女中たちに東京の名所を案内されます。

その夜、おはなは近所の池で幽霊を見たと言い出し、おトラがその真相を探ることになります。そこでは、幽霊の正体が映画のポスターであることが明らかになり、最後にはおトラが苦手な蛙に驚いて倒れる場面が展開します。

そして、おトラの故郷から不思議な電報が届き、彼は潮来への里帰りを決意します。宿に到着したおトラは村の村長と助役から、著名な踊りの師匠である赤柳みどりと間違われ、盆踊りコンクールへの出演を依頼されることになります。おトラは、京都からの女性・てる子から父の治療費の話を聞き、助け合うことになるのです。

物語は、おトラがみんなで知恵を出し合って赤柳みどりと共演することまで展開し、最後には盛大な盆踊りコンクールが開催されます。村長や助役は状況を理解せずにコンクールを迎え、ユーモアあふれる結末が繰り広げられます。

スタッフ

• - 製作: 富岡敦雄
• - 原案: 西川辰美
• - 原作: 有崎勉（柳家金語楼）
• - 脚本: 新井一
• - 監督: 小田基義
• - 撮影: 伊東英男
• - 音楽: 神津善行
• - 美術: 島康平
• - 照明: 森康
• - 録音: 西尾昇

キャスト

• - おトラさん: 柳家金語楼
• - 日野江牛三: 有島一郎
• - 日野江馬子: 水の也清美
• - 日野江トリ江: 川田孝子
• - 日野江タツオ: 日吉としやす
• - お八重: 若水ヤエ子
• - お豆: 小桜京子
• - てる子（潮来の女性）: 小柳節子

このように『おトラさんのお化け騒動』は、ユーモアと人情味を織り交ぜながら展開される、魅力的なコメディ映画として多くの観客に親しまれています。

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